経済の常識 VS 政策の非常識

2013年4月5日

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 黒い日銀の大攘夷政策に、何か危険があるだろうか。金融緩和するとハイパーインフレになるという人がいるが、ならないために2%物価目標という制約がついている。金融緩和は、2%物価目標のためにしているのだから、これを超えそうになったら緩和を止める。ハイパーインフレになるはずがない。

 物価が上がらず資産価格だけが上がるバブルになるという人もいる。しかし、そうなるときには雇用情勢がとてつもなく好転しているのが通常である。失業率が十分に低下したら、物価目標に必ずしも拘らなくても良いかもしれない。

 日銀が国債を買うと、財政赤字を埋めるために買っている、財政ファイナンスになるという人もいる。なぜ、財政ファイナンスがいけないかというと、やりすぎればインフレになり、また、政府が安心して無駄遣いをするからだ。しかし、インフレを抑えるために物価目標がついている。それ以上にはしないという目標でもある。また、政府が無駄遣いするのは、白い日銀が、金融政策だけでは物価目標を達成できない、政府の協力がなければできないと言ったからだ。これを公共事業の大好きな政治家が聞けば、そうか、公共事業でどんどん需要を付けてやればいいんだなとなるのが当然である。私は、白い日銀の自業自得であると思う。

 黒い日銀になって、金融政策だけで景気が良くなることが明らかになれば、景気対策として財政を拡大する理屈がなくなる。長期的には財政規律が高まるだろう。

 尊王開国で日本は明るくなる。安倍総理のイニシアチブで始まった金融緩和で、総理に政治的求心力が生まれ、TPP参加という文字通りの開国政策も実現できた。総理は忙しいのだから、いちいち日銀に圧力をかけるのは面倒である。黒い日銀は、白い日銀とは異なって、中央銀行のしなければならないこと、すなわち安定的な物価を通じて景気を程よい状況にしておくことを当然の任務と考えている。黒い日銀によって、日本経済は失われた20年から脱却できる。

修正履歴
1ページ目第二段落
「22%の消費者物価の上昇率目標を実現する」として記載しておりましたが、数値に誤りがございましたので、訂正いたしました。お詫び申し上げます。(2013年4月5日13時00分)

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