今月の旅指南

2013年4月26日

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狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

 開会を告げる打ち上げ花火の轟音が響くと、遠州灘から吹く風を受けた大凧が一斉に空に揚がっていく。ゴールデンウイークの3日間にわたって開催される浜松まつりは、海に臨む中田島砂丘にほど近い凧揚げ会場と、浜松駅近くの鍛冶町通り界隈を舞台に、毎年160万の人出で大いに賑わう。中でもハイライトは、今年は市内の173町が参加する凧揚げ合戦だ。

大凧は正方形で町ごとに入る文字や図柄が決められている

 浜松観光コンベンションビューローの村木朝美さんによると、「各町が揚げる凧の大きさは2帖から10帖まで。4~6帖が中心ですが、4帖で2・4メートル四方なので、糸を引く人、支える人など役割を分担して10人ほどで揚げます。また、凧糸を絡ませ合って相手の糸を切る“糸切り合戦”が始まるとかなり熱くなりますね。公正を期するため、凧糸は浜松まつり凧揚げ保存会認可のものだけが使われています」とのこと。

 浜松まつりは、450年ほど前に、当時浜松を治めていた引間(ひくま)城主、飯尾豊前守(ぶぜんのかみ)の長男誕生を祝って“初凧”を揚げたのが起源といわれ、今もその伝統が残る。各町内の初子(はつご)(男女とも)の誕生を祝うため、子どもの名前や家紋を入れた初凧が揚がり、夜には町衆が初子の家を訪れて鳴物入りの“練り”で祝福する。

今年は86町の御殿屋台が登場する

 中田島での凧揚げ終了後は、祭りの中心は市街へ。日が落ちると、提灯の明かりがともる御殿屋台が街を行き交う。屋台は町ごとに趣向を凝らした彫刻の入った豪華なもので、子どものお囃子隊が乗り、太鼓や鉦(かね)、笛などで盛り上げる。期間中は、さまざまなイベントも実施される。楽器作りで知られる“音楽の街”浜松ならではの吹奏楽パレードを楽しみにする人も多いという。

 「凧揚げ会場には観覧席を用意、すぐ近くから見られるので、凧の大きさを体感できます。昼間だけでなく、夜までたっぷり楽しんで欲しいですね」

 盛り沢山な市民参加型イベントが魅力の浜松まつり。5月の空に舞う凧のような、爽快感に浸りたい。

浜松まつり
<開催日>2013年5月3~5日
<会場>静岡県浜松市・中田島凧揚げ会場および浜松駅界隈(東海道新幹線浜松駅下車、中田島へはシャトルバス)
<問>浜松まつり組織委員会事務局☎053(458)0011 
*本年の開催期間のみ☎053(454)5100
http://hamamatsu-daisuki.net/matsuri/

◆「ひととき」2013年5月号より

 

 

 

 
 

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