世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年4月26日

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 元米国家安全保障会議上級部長のハンス・ビネンダイク(Hans Binnendijk)が、3月24日付NYTに、「米国の安全保障戦略を再考する」と題する論説を寄せて、今後の米戦略は予算削減の影響下、米の同盟国やパートナーに、より多くの負担を求める「前方パートナーシップ戦略」と呼ぶべきものになろう、と論じています。

 すなわち、ヘーゲル国防長官はペンタゴンに、予算が減る中で軍事戦略を見直すように求めた。この作業にはケリー国務長官も関与しよう。今年末に発出される新安保戦略はこの2名の考えを反映し、米の同盟国とパートナーにより多くの負担を求めよう。

 ケリーとヘーゲルは上院外交委でオバマ、バイデンと共に働き、戦闘で負傷した経験があり、欧州との関係が強く、軍事力に頼るより外交を重視しよう。

 新安保戦略のいくつかの要素は、オバマ政権第1期からの継続になる。イラク・アフガン戦争の終結、アル・カイダの脅威の後退、潜在的な敵との話し合いを続行することなどである。NATOの新戦略概念は同盟を再活性化した。オバマのリビア戦略は「背後よりの指導」と、からかわれたが、機能した。中国の台頭はアジアへの軸足移動をもたらした。

 国家情報会議は最近「グローバル・トレンド2030」を公表したが、これは力の放散(東と南、新しい登場者などへの力の移動など)が起こりつつあり、世界をより危険な場所にしつつあるとしている。

 新戦略は予算削減の影響を受ける。イラク、アフガン戦争の経費は軍に再投資されず、平和の配当になろう。

 簡単に言うと、米はより危険な世界に少ない資源で立ち向かう。

 著名な何人かは「オフ・ショア・バランシング」戦略を提唱している。地域強国を通じ影響力を行使し、欧州・中東よりの地上軍引き上げが言われている。この戦略の批判者は、これは米の不関与と同盟の崩壊につながりかねないとしている。

 ケリーとヘーゲルは他の方策、すなわち「前方パートナーシップ戦略」を採用しそうである。この戦略は米軍の前方配備を維持しつつ、同盟国に米軍との共同作戦や、より指導的な役割を求めている。これは冷戦期の「封じ込め」、クリントン時代の民主主義国の「拡大戦略」につながるもので、パートナーに安定を保障する能力を与えるものである。能力あるパートナーの概念はワシントンで受け入れられつつある。

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