2024年4月26日(金)

田部康喜のTV読本

2013年4月24日

「若さのはかなさ」を感じさせるばかりではなく…

 そのなかで、アイドル・小泉今日子は笑顔を隠した、奇妙な母親役を演じて、観る者を飽きさせない。歌手でデビューした彼女の女優としての可能性を見せたのが映画「快盗ルビイ」(1988年・和田誠監督)である。作家の小林信彦が、アイドル映画の最高傑作としてあげる作品である。スタイリスト役の小泉が、実は快盗で、相手役の隣人の真田広之を相棒に誘い込んで盗みを企てる。

 イラストレーターとしての卓越した才能のほかにも、宮藤同様に多彩な活躍で知られる和田誠が、監督として小泉の魅力を引き出した。

 「あまちゃん」の小泉は、糸井のいうように「若さのはかなさ」を感じさせるばかりではなく、アイドルが成熟して、日本を代表する女優としての存在感を示している。

 アイドルが演技派女優に生まれ変わる。ファンの喜びである。

 「あまちゃん」の物語の設定は、2008年夏から始まる。三陸の青い海の風景をあしらいながら、陽気なテーマ曲で毎回開幕するドラマは、東日本大震災の2011年春に向かっていくのであろう。  (敬称略)

1ページ目「高校卒業後に東京に去った春子」は、「高校生のときに東京に去った春子」の間違いでした。お詫びして訂正致します。(2013/04/25 22:22)

[特集] ひと味違ったエンタメ情報を!
 
「WEDGE Infinity」のメルマガを受け取る(=isMedia会員登録)
「最新記事」や「編集部のおすすめ記事」等、旬な情報をお届けいたします。


新着記事

»もっと見る