2024年4月25日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年5月10日

 オバマ大統領がどうするか判りませんが、レッドラインを示すということは、最後通告を突きつけての交渉になります。成果の上がる交渉につながるとは必ずしも言えません。更に、今後の手を縛ることにもなります。イラン民族は誇り高い民族であり、この提言が適切かどうかは、わかりません。

 オバマ大統領は、6月のイラン大統領選挙までは、レッドラインを示さず、様子を見るのが賢明でしょう。

 イランが、イスラエルの軍事攻撃を懸念していることは間違いなく、それ故に、20%濃縮ウランの量を他に転用して減らしています。しかし、イランは、低濃縮の権利を確立すれば十分だと考えているかもしれません。いずれにしても、危機は、今年末まで延期されたと考えられます。

 なお、2月26~27日のカザフスタンでの核協議については、イランは「勝利」した、とイランのメディアの大方は評価しています。

 今回の協議では、イランは次回協議の日程設定を求め、米国などが拒否しましたが、これが正しい戦術という上記社説の評価が正しいかどうかは疑問があります。
 

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