世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年5月13日

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 4月12日付けウェブ米Foreign Policy誌で、Frank Jannuziアムネスティ・インターナショナルUSA事務局次長は、北朝鮮に対しては「賢明な不作為」という手法を取るのが効果的なことがあり、危機を回避するためには、報復のエスカレーションを避け、ケソン工業団地での南北間の協力を回復し、対話を繰り返し呼びかけるべきである、と述べています。

 すなわち、朝鮮半島における危機を回避する最も良い方法は、人々の関心を核問題ではなく、人権ないし一般大衆の問題に向けさせることである。

 アムネスティ・インターナショナルはこれまで北朝鮮内部の厳しい人権抑圧状況に世界がもっと目を向けるように訴えてきた。これまでの自分の過去24年間にわたる北朝鮮との関わりから、「賢明な不作為」という手法は時に効果的な戦術であることがわかった。北朝鮮内部の人々の生活に、より多くの関心を向け、内部のエリートたちに影響を与えれば、徐々にではあるが、北朝鮮指導部を動かして行くことが期待できる。

 北朝鮮指導部はカダフィが核計画を放棄したことによって、ついに政権が打倒されたと信じているようであり、核への執着を変えないだろう。

 オバマ政権の対北朝鮮アプローチは「戦略的忍耐」として知られるようになった。なによりも報復のエスカレーションを避け、ケソンの工業団地での南北協力を回復し、繰り返し対話を呼びかけることが優先事項である。

 冷戦の崩壊は、ヘルシンキ協定(1975)や全欧安全保障協力機構(OSCE)が敵国間の和解や交流を促進し、人権意識を広めたことに大きく起因している。

 朴大統領は「北東アジア平和協力イニシアチブ」を打ち出し、使い物にならない6か国協議に替えることを提案しているが、これは価値あるアイディアである、と述べています。

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 上記ジャヌージの対北朝鮮宥和論の中身は特段目新しいものではありませんが、ジャヌージは長年上院外交委員会(アジア専門)の上級スタッフとして、ケリー現国務長官に仕えてきましたので、その論説には注意を払う必要があるでしょう。

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