あの挫折の先に

2013年5月27日

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夏目幸明 (なつめ・ゆきあき)

ジャーナリスト

1972年、愛知県生まれ。愛知県立豊橋工業高校から早稲田大学へ進学、卒業後、広告代理店に入社し、その後、雑誌記者へ。小学館『DIME』に『ヒット商品開発秘話 UN・DON・COM.』を、講談社『週刊現代』には、マネジメントの現場を描く『社長の風景』を連載。ほか、明治学院大学講師をつとめ就活生の支援を行う。『資格の学校TAC』では、就活生と一緒にエントリーシートを書き、面接練習を行う講座を持つ。
執筆記事:「社長の風景」(現代ビジネス)、「火力発電所奮闘記」(『VOICE』)、「ビジネスの筋トレ」(『フレッシャーズ』)、「就職活動セミナー」(『資格の学校TAC』)

第11回 エポック・ジャパン社長 髙見信光さん(46)

たかみ・のぶみつ/67年、宮崎県生まれ。91年に上智大学経済学部卒業後、外資系の信託銀行に入行。96年にMBA取得のため、アメリカ・メリーランド州立大学へ留学。98年、父が創業した宮崎県の葬祭会社「みやそう」に入社し常務に就任。2000年7月にエポック・ジャパンを設立。2005年エポック・ジャパンとみやそうを合併、現在に至る。

チャンスは突然やってくる
リスクなきチャンスなどない

 20年を経ても忘れられない失敗がある。

 「大学を卒業して信託銀行へ入社し、7~8か月目に、上司から『ファンドマネージャーにならないか』と打診されたのです。私の目標でもあったので、声をかけてもらえたことは非常にうれしかったですね。しかし、考えに考え、上司に『まだ早いと思います』とお断りの返事をしました。当時の私には経験がなく、きっと失敗すると思ったのです。同時に『どうせまたすぐチャンスは巡ってくる』という過信もありました」

 結局、上司は彼の同期入社組の中から別の社員を抜擢した。その“二番手”ともいえる人物は、何か頼まれれば「行きます!」と元気よく反応するたぐいの人物で、彼は様々な失敗を経験しながらもキャリアを積み上げて行った。一方、髙見には2年たっても3年たっても声がかかることはなかった。

 「みじめなものです(苦笑)。ライバルは既に経営の中枢にいて、一方私は、出たい会議にも出られない」

 結局、そのときについた差は、髙見が転職し退社するまでずっと埋まらなかった。

 「チャンスというものは、往々にして、完璧な状態で来るものではない。今は時期尚早だ、多忙で苦しい、そんなときにも来るものなのです。私が、原則、いただいたお話に『NO』と言わなくなったのは、そのときからですね」

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