山師の手帳~“いちびり”が日本を救う~

シンガポールは「明るい北朝鮮」? エリート主義と借景思想

中村繁夫 (なかむら・しげお)  アドバンスト マテリアル ジャパン社長

1947年生まれ。レアメタル専門商社・アドバンスト マテリアル ジャパン(AMJ)社長。新著に『レアメタルハンター・中村繁夫のあなたの仕事を成功に導く「山師の兵法AtoZ」』(ウェッジ)。

山師の手帳~“いちびり”が日本を救う~

レアアースやレアメタルを生業にして40年近くも「山師」の世界で生きてきた。生き残れたのは「いちびり精神」があったからだ。「いちびり」とは「人のしないことをやるお調子者」のことである。中国人やユダヤ人やアングロサクソン人とのビジネスに揉まれてきて悟ったことは「人のしないことをやる」べきだということである。その山師しか知らない世界を時には大胆に、時にはもったいぶりながら披露する。

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 大国の条件は「人口」と「技術力=軍事力」と「資源」である。人口が少ないので、当然自国で育てるエリートだけでは足りない。大国の条件を備えるために「人材」と「技術者」と「資源企業」を外から集めた。借り物ではあるが、「小国」であるがゆえに「知恵」を使うしかなかったのだろう。

 日本庭園は狭い土地を有効に使い遠景の山々を風景の中に取り入れ、遠近法を駆使してあたかも小宇宙のような幽玄の世界を造った。これが「借景思想」である。

 シンガポールは経済発展を達成してからも工業化社会から情報化社会に舵を切り換えてきた。日本が足踏みをしているこの20年の間に、モノづくりよりも「情報、知識、サービス」の割合を高めてきた。先進国家として勝ち残るために「金融、教育、先端技術、研究開発、エンターテインメント」などのソフト化への方向を目指した。

 70年代にリー・クアン・ユー首相は日本の経済成長を見てルックイースト政策を取った。日本の優秀な官僚たちが目指していたことを真似て徹底して推進した。特に「教育」と「企業誘致」に力を入れた。シンガポールの社会は徹底した管理社会である。国際社会から「明るい北朝鮮」と揶揄されても「超エリート主義」と「借景思想」の看板を下ろさない覚悟が見て取れる。

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◆修正履歴
1ページ4段落目について、より正確な表記に改めました。(2013年6月7日 10時10分)

 

◆WEDGE2013年6月号より

 

 

 

 

 

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著者

中村繁夫(なかむら・しげお)

アドバンスト マテリアル ジャパン社長

1947年生まれ。レアメタル専門商社・アドバンスト マテリアル ジャパン(AMJ)社長。新著に『レアメタルハンター・中村繁夫のあなたの仕事を成功に導く「山師の兵法AtoZ」』(ウェッジ)。

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