うつ病蔓延時代への処方箋

2013年5月29日

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 2001年から大阪市内の診療所で男性にもある更年期障害を専門にみる外来を始めました。狙いにしたのは男性機能の低下、つまり勃起障害(ED)を改善させることですが、「勃起不全外来」では患者さんも来にくいので、「男性更年期外来」として現在も続けています。

 その治療にあたると、社会的ストレスを要因にしたものが多く、症状を改善させていくには、心療内科的な治療になります。大半の患者さんは、複数の病院で検査を行ってきています。血液検査程度で後は、できるだけ話を聞きます。現在の患者さんの大半は抑うつ状態に悩む人たち。この治療も夫婦同伴での診察を原則としています。家族の理解が必要であり、家族状況なども治療に参考になるからです。

 治療にあたった患者さんの職場復帰率は90%以上。初診から2週間で方向性を示すのが私の治療法です。

再診までは電話で話す
効果のある細やかな対応

 ―― 抑うつ状態に陥っている患者が2週間で上向きになるというのは驚きです。どのような治療法なのでしょうか。

石蔵:メンタルインターベンション(精神的介入)です。初診で来院したら1日、3日、5日後に電話をかけて状況を聞きアドバイスをします。状況によっては7日、10日後にも行い、2週間後に再診してもらいますが、その段階で、ほとんどの人が改善しています。

 うつばかりに気をとられていますが、現状は不安障害が多い。いてもたってもいられない焦燥感でいっぱいになっている。だから、聞いてほしいことがたくさんある。こちらからではなく患者さんからの電話も少なくない。それには、できるだけ早く応答してあげることで薬の何倍もの効果があります。

携帯電話は患者の状況を知るツール

 ですから携帯電話は、患者さん用と診療所などの連絡に使う2台を使い分けています。初診時は必ずゆっくり時間が取れる時に予約を入れてもらうようにしています。私は常勤ではないので、予約が入ると診療所から連絡があり、その患者さんに電話をします。

 今年3月下旬のことですが、東京から予約が入りました。電話をかけてみると8か月休職して4月から職場復帰するが、本当に出社できるか不安なので診てほしいということでした。私は主治医がいるのに何故、話さないのかと尋ねると「不安だと言えば復帰が遅れてしまうから」というのです。私の本を読んで、何とかしてもらえるのではと思ったそうです。

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