2024年4月24日(水)

田部康喜のTV読本

2013年5月29日

自らの可能性を切り開こうという強い意思

 サスペンスドラマの定石は、毎回ゲストスターを起用して、その俳優が犯人となる。ヒーローとヒロインは、その犯人を追いつめる。

 湯川と岸谷は、物理学の知識と推理を組み合わせて、野木の自白を引き出す。動機は、研究者としての野木が部下に抱いたライバル心と嫉妬であった。

 高い視聴率を獲得して、テレビドラマが成功するためには、そのストーリーが視聴者の共感を呼ばなければならないことはいうまでもない。そして、登場人物のキャスティングである。

 「ガリレオ」のこの回のキャスティングをしたプロデューサーと演出家には、吉高と夏川それぞれの鮮烈な映像のイメージがあったのは間違いないであろう。

 女優が鮮烈な映像に出演する覚悟とはなんなのだろうか。全身をさらして、からだを投げ打って、自らの可能性を切り開こうという強い意思であろう。

 夏川はその賭けに成功して、本格女優の仲間入りを果たした。吉高はどうか。「ガリレオ」の演技は、その試金石である。 (敬称略)


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