WEDGE REPORT

2013年7月5日

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2009年に宮田さんが初めて描いた「バリィさん」。現在とほぼ同じデザインになっている

 「昔から絵が好きで、将来はその道に進みたかった」というものの、高校卒業後は「資格がないと食べていけない」という親戚のアドバイスをもとに、松山市内にある歯科衛生士の専門学校へ進学した。だが、「やはり興味があったのはイラストを描いたり、教材を作ったりすること」で、文化祭やこどものブラッシング指導のためのイラスト制作、教材づくりが最も楽しかったという。歯科衛生士の仕事に就いてからも、歯科医院で販売している商品の特徴を記したポップや説明用のイラスト作りを最も好んだ。

 その後、体調を崩したことをきっかけに歯科医院を退職する。その後、1年間今治の職業訓練校に通った。職業訓練校では地場の産業に関連することを学ぶことができる。タオルづくりが盛んな今治では、タオルのデザインのため、ビジネスデザイン科があり、宮田さんはここでデザインの基礎を学んだ。

 「とにかく楽しかった」─。宮田さんはこの頃をそう振り返る。天賦の才もあるのだろう。その後、とある会社の採用面接の場で、自らの作品集を見せたところ、「うちの会社ではあなたの才能を活かしきれずもったいない。別の会社を紹介しよう」といって引き合わせてくれたのが現在勤める第一印刷である。宮田さんは同社のデザイナーとなり、全国各地の水族館で売られているグッズのキャラクターをデザインするなど、本人曰く「天職」といえる仕事に巡り合えた。

「これは魚でぇ?」
遠かった「全国制覇」への道のり

 「バリィさんはこの世に存在しなかったかもしれないんです」(宮田さん)

 バリィさんは今治地方観光協会から「ホームページ用に何かキャラクターを」との発注を受けて制作したキャラクターであった。09年にバリィさんを含めいくつかのキャラクターをデザインし、観光協会へ提案した。「ブリッジ3兄弟」、「タオルン」、「ヤキトリオ」、「イマジョウさん」、「セレブ男子バリオさん」。原画を見ると個性豊かなキャラクターばかりだ。結果、バリィさんが「当選」し、世に出ることとなったが、社内では「ブリッジ3兄弟」が面白いと盛り上がったという。

「バリィさん」の周りは常に黒山の人だかりとなる

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