世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年6月26日

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 米海軍大学准教授Andrew Eriksonと、同中国海洋研究所研究員Austin Strangeが、5月23日付でForeign Affairs誌ウェブサイトに掲載された論文で、中国は無人機の開発を進め、現在では280機以上を持っていると見られ、偵察の他に将来新彊やチベットでの抗議デモ、暴力行為の鎮圧に使うかもしれないし、また陸海の領土紛争に使う可能性もあるが、国際世論の反応を考慮してその使用には慎重である、と論じています。

 すなわち、中国は1950年代後半、ソ連から供給された無人機Lavochkin La-17Cをリバース・エンジニアリングして以来、半世紀以上にわたり無人機の開発を手がけてきた。現在では280機以上の戦闘無人機を持っていると見られており、量質とも米国に次ぐ。いま、中国はステルス無人機の開発の最終段階にある。

 中国は、ミャンマーの麻薬取引者のNaw Khamを無人機で殺害することを考えたが、結局は実行しなかった。中国は、インド、フィリピン、ベトナムとの領土紛争に無人機を使う可能性がある。中国はすでに尖閣諸島の写真撮影に無人機を使っている。

 しかし、中国は軽々には無人機を使わないだろう。中国は陸海の領土紛争でのあつかましい態度で国際社会から厳しく非難されており、中国指導者が中国の台頭が地域への脅威になるとの懸念を払拭しようと努めている中で、領土紛争に無人機をあからさまに使用することは逆効果となろう。

 中国はまた、東アジアの紛争に無人機を使うと、米国による使用を招きかねないことを恐れている。中国国防部の最近の公式声明によれば、中国は当面東アジアにおける無人機の使用を偵察に限っているとのことである。

 中国が最終的に無人機を使ってNaw Khamを殺害しなかったのは、政治的非難を恐れたということに加えて、無人機のシステムや操作に自信がなかったためかもしれない。

 中国は国連安保理が使用を認めた場合や、ある国が自国内での無人機の使用を認めた場合、無人機の使用を考慮するかもしれないが、その場合でも、無人機による攻撃の利益と、事故の可能性、他国の主権を侵害するというイメージを比較衡量する必要がある。

 中国の学者、研究者は、無人機を国内の監視、法律の施行や中国の国境紛争地帯での非戦闘任務に使うことは議論しているが、海外での無人機による攻撃を公に論じる者はいない。

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