山師の手帳~“いちびり”が日本を救う~

2013年7月1日

»著者プロフィール

 北京の初夏は白楊(ドロヤナギ)の綿毛が街に舞う季節だ。かつての北京の通勤手段は自転車で、自動車の数は少なく大気汚染とは無縁だった。私にとっての天安門通りは常宿の日航ホテルからの気持ちの良い朝の散歩コースだった。

 当時は白楊の綿毛が空に舞うのが初夏の風物詩だったが、いまの北京といえばPM2.5や黄砂やスモッグがあるのに更に花粉症(北京でも花粉症はある)にも気を遣わないといけないのかと心配するほど大気汚染が進んでいる。

 年に何度か来ている北京だが、最近は大気汚染がひどくてあまり来る気にもならなかった。今年の冬は特にPM2.5の騒ぎで外出禁止令が出るほどで、日本の空気清浄機が飛ぶように売れたらしい。確かに北京の大気汚染は深刻なのだが、米国大使館が数年前から公表し始めたPM2.5の発表がインパクトを与えたことも事実で、海外のメディアの騒ぎ方も度を越している感もあった。

突如出現した北京の百万本のバラ

 中国でも流行ったロシアの「百万本のバラの花」という歌があるが、今年の11月までに北京に行けばそれが見られる。といえば「何のことだ?」と訝しく思われるかもしれない。実は、今回の短期出張で空港から街に向かう途中のハイウェイの中央分離帯に、色とりどりの薔薇の花が途切れることなく咲き誇っているのを見た。

北京のハイウェイの中央分離帯に咲くバラ
(撮影:筆者)

 どうやら北京政府は世界的に有名になった環境汚染のイメージを払拭するために「百万本のバラ作戦」に出たのかもしれない。北京市園林緑化局は、市内に薔薇の木だけでも数百万本は植栽したといわれるが、今年は北京で園博会(国際園林博覧会)の大イベントも行われている(写真)。

 日本風に言えば「国際花と緑の博覧会」である。そのために北京郊外の267ヘクタールの荒地を大造成した。中国はやることが何でも大きいが投資規模はおよそ100億元(約1635億円)に上り、北京のイメージを良くするために躍起になっているように見える。

関連記事

  • PR
  • 新着記事

    »もっと見る