今月の旅指南

2013年7月26日

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狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

 縁日では季節の草花が鉢植えで売られ、名所に出かけては四季折々の植物を愛でる。泰平の世が続いた江戸時代は、まさに園芸文化が花開いた時代でもあった。大名から町人まで、あらゆる階層に浸透した当時の園芸事情を、錦絵や版本などで振り返る趣向の展覧会が、江戸東京博物館で開催される。

歌川芳玉「見立松竹梅の内 うゑ木売の梅」 
弘化年間(1844~48年) 個人所蔵

 展示は4つのテーマで構成。美しい草花で集客を図る民間庭園の誕生や、植木屋による園芸書を紹介した「花と緑の行楽文化」では、当時の花見や花屋敷について知ることができる。また、「植木鉢の普及と高まる園芸熱」では、植木を品定めするさまを描いた錦絵などを展示。手軽に持ち運べる鉢植えの登場で、庶民にまで広がっていった園芸ブームの様相が垣間見られる。

 一風変わっているのが「武士の愛した不思議な植物たち」。万年青(おもと)や錦糸南天(きんしなんてん)など、奇妙な形状の草花“奇品”についてのコーナーだ。「江戸園芸三花─朝顔・花菖蒲(はなしょうぶ)・菊─」では、独自の発展を遂げた3つの花に焦点を当てる。江戸時代の品種改良技術の高さについて改めて知る、よい機会となりそうだ。

 

花開く 江戸の園芸
<開催日>7月30日~9月1日
<会場>東京都墨田区・江戸東京博物館(総武線両国駅下車)
<問>江戸東京博物館 ☎03(3626)9974
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/

◆「ひととき」2013年8月号より

 

 

 

 
 

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