世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年7月23日

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 イラン大統領選でロウハニが選出されたことについて、英レガタム研究所のクリスチャン・カリル(Christian Caryl)上席研究員が、Foreign Affairs誌ウェブサイトに6月19日で掲載された論説で、イランの国民がより大きい自由を望んでいることは間違いないとしても、ソ連邦崩壊などの歴史から学んでいるハメネイの神権独裁政治は、それを許さないであろう、と論じています。

 すなわち、ロウハニは穏健派ではある。しかしイランの核開発の擁護者であり、シリアのアサド支持者であり、他のより現実的な競争者がふるい落とされた後に残った候補者である。たしかに、選挙の結果は、イラン人が、如何に制限されたものであっても改革を支持したことを示しているが、イラン人がそれを得られるかどうかは分からない。

 イランの憲法は、如何に制限されたものであるとしても、代表の選出を許しているが、最終的な権力をもつ最高指導者は選挙によるものではない。革命第一世代には許されていた権力への民主的参加の途は次第に閉ざされた。1979年革命の仲間であるラフサンジャニを排除することによって、ハメネイは、革命を空洞化した。

 ハメネイは、石油価格の高騰で経済の破滅を糊塗していた1970年代のブレジネフのように、改革を拒否し続けるのであろう。

 ハメネイの後、ゴルバチョフに相当する人物が出て来る可能性はあるだろうか。それは、ソ連邦崩壊の前例をよく研究している、イランの現指導体制が望むところではないであろう。

 イランの指導者は、現在の体制を崩してしまうような自由を、イランの市民が欲していることは、よく分っているのであろう。

 ロウハニは、改革の方向に向かって、多少のジェスチャーはするかもしれないが、それ以上に進むことには彼の首が懸っていることを知っている、と論じています

 * * *

 これは、ロウハニ選出後のイランの前途に対する悲観論の典型例です。この論説で面白いのは、ブレジネフ時代との比較、そして、石油価格との関係です。

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