世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年7月31日

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 6月25日付米National Interest誌に、Leslie H. Gelb米外交問題評議会名誉会長とDimitri K. Simes米センター・フォー・ナショナル・インタレスト所長が連名で寄稿し、中露が米国に対抗するために結託する可能性があるので、その危険を少なくするため、中露の利害にも配慮し、中露と協力していくべきである、と論じています。

 すなわち、習近平は、3月の訪ロの際に、プーチンに「北京とモスクワは主権、安全保障、開発の利益を保護する上で相互支持し、国際・地域情勢で緊密に調整するべきだろう」と述べ、プーチンも「我々の戦略的パートナー関係は2国間関係でも世界的にも重要」と述べた。米国は、中露関係の進展を、注意深く評価すべきである。

 中露は二つの選択肢を持つ。一つは、米国の力に対抗する非公式の同盟を作ることである。中露間には難しい問題はあるが、歴史にはありそうにない同盟の例もある。いま一つは、両国がニクソン外交のように中露接近をカードとして、対米優位に立とうとすることである。

 今後の世界は、強国が相争った過去に似ている。1914年の再来というのは言い過ぎかもしれないが、現在の多国間関係の混乱は、対峙する二つの陣営に進化するかもしれない。

 米国の常識は、中露同盟の可能性を排除しているが、中露間の一時的な取り決めでも世界政治への影響は大きい。第2次世界大戦前のモロトフ・リベントロップ協定の例がある。

 中露同盟の障害は、相互不信など色々ある。長期的には、中露双方にとり、米国やEUがより重要である。しかし、中露は共通の利益のために、これらの障害を乗り越えるだろう。

 第1に、両国の指導者は、政権の正統性に挑戦を受けており、欧米の民主化推進を、自らに敵対的であり、政権交代を狙っているように考えている。

 第2に、西側は、ロシアを、ソ連の政策や目標の後継者として扱っている。NATOは拡大し、ウクライナ、グルジアを加盟させる意図を明らかにしている。更に、ロシアと旧ソ連諸国との紛争で、西側はロシアの相手を支持している。同じように、中国と近隣諸国の紛争で、米国は近隣諸国を支持している。アジアへの軸足移動を、中国は、脅威と捉えている。

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