ブルキナファソ見聞録

2013年7月31日

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岡田綾 (おかだ・あや)

JICA職員

1982年兵庫県西宮市生まれ。小学校6年生のときに阪神・淡路大震災を経験。2005年京都大学文学部社会学科、2007年同大学大学院地球環境学舎環境マネジメント専攻修士課程修了。環境やコミュニティ防災について学ぶ。就職活動では、「その人自身のせいではないが、理不尽な境遇におかれてしまった人のために仕事をしたい」と考え、他の関心事項であった「途上国・国際協力」も満たす組織として、独立行政法人国際協力機構(JICA)を志望し、2007年入構。地球環境部、広報室などを経て、アフリカ勤務を希望し、2012年12月よりブルキナファソ事務所に赴任。

 ブルキナファソに抱くイメージとして「暑くて乾いた土地」と「雨が降り緑ある土地」という2つの選択肢が提示された時、どちらを選ぶだろうか。

 そもそも、ブルキナファソがどこにあるか不明である可能性も否めないので、その意味では確率は純粋に2分の1かもしれない。それでも、第一印象としては「暑くて乾いた土地」に軍配が上がる気がする。赴任前の私も、例にもれず前者のイメージを強く抱いていた。

 しかし、正解は、「両方」を選ぶことだ。

 今年は、例年に比べ雨季の始まりが遅かったようだが、首都ワガドゥグにも雨が降るようになった。生半可な雨ではない。夕方、暴風が吹き、巻き上げられた砂で空が真っ赤に染まったと思ったら、ザバーッ、ドバーッと豪雨になる。屋根を打つ夜中の暴風雨の強烈な音に耐え、台風一過のような爽やかな朝を迎えた日があったが、密閉性に課題のある我が家では、雨が吹き込み、寝室の窓際の床に大きな水たまりができていた。

乾いた大地と緑
「境界線」を体感

 ワガドゥグがおもしろいのは、冒頭の2つの選択肢を持ち、かつ、この辺りが砂漠と緑の境界線なのではないか、と感じさせるところだと思う。

 ブルキナファソはサハラ砂漠の南縁にぎりぎり引っかかっている。Google mapでは黄緑色に塗られているが、ブルキナファソの北部は乾燥帯に位置し、年々砂漠化の進行が懸念されている。南部は熱帯湿潤気候で年平均降雨量も900~1300mm。赤道付近で発生した前線が雨を降らせながら北上し、端まで行きついて折り返す地点がブルキナファソなのである。そのため、雨季は年1回。まさに今はその季節。全土が同じ様相を呈するでもなく、北部と南部の違いは大きい。

 まだワガドゥグには雨が降っていなかった5月。車で北に20kmも行けば、ワガドゥグから外れ、家が点在する乾いた大地が目についた。木もまばらで砂っぽい。逆に南に下ると、徐々に木が増え、緑が増え、南西に450kmほど(南北移動は約150km)離れた地方都市に至るまでに自然の変化をはっきりと見ることができた。地図上で見ればわずかな南北移動に過ぎないが、だからこそ、自分の移動したこの道が、ほぼ自然の境目だったのだと、体感としての境界線を見つけた気になった。

水位のあがった溜め池。緑も増えた

 それから2カ月経ち、緑のラインが北に上がってきている。汗をかくそばから蒸発するため汗ばむということから無縁だった乾季が終わり、6月末頃から雨が増え、湿度を感じるようになった。なんとなくじめじめとして日本の梅雨に似た匂いに懐かしい気持ちになる。

 市内に複数ある溜め池の水位がぐっとあがり、目に見えて、ワガドゥグの緑も増えた。この国が水に課題を抱えていることを一瞬忘れそうになる。

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