解体 ロシア外交

2013年7月29日

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 2013年6月のイラン大統領選挙では、有力候補と目されていた保守派たちを破りハサン・ロウハーニー師が勝利し、8月3日に第7代大統領として就任する。

 核開発問題やシリア問題などで、イランは米国を中心とした欧米諸国と厳しい関係にある。一方、従来からロシアや中国とは比較的良好な関係を維持してきた。最近でも、対イラン制裁問題で、ロシアがそれに反対を表明するなど、イランに対する保護的な立場が目立つ。ただし、ロシア・イラン関係も、米ロ関係の影響を受けた濃淡がみられてきた。

*例外的に、オリンピックの競技種目としてレスリングを存続させる運動では、米国、イラン、およびロシアの協力がみられた。

 近年、イランと米国の緊張が高まる一方だった中で、保守穏健派と目されるロウハーニー師が大統領に就任することによって、イランの国際的ポジションに変化が訪れる可能性も多々報じられている。しかし、政教一致のイランでは、やはりアリー・ハーメネイー最高指導者の影響力が強いため、今後の趨勢については読めない部分が多い。

 それでも、最近の動きから、ロシアとイランの関係を問い直し、今後の展望を考えてみたい。

ロシアはロウハーニー師に期待?

 ロシアのプーチン大統領は、ロウハーニー師の当選を受け、6月16日に祝電を送り、同師の大統領就任はイランの繁栄や両国関係の深化を導くという期待と共に、ロシア側が地域安全保障や国際社会の安定を巡る多面的な分野で、イランとの互恵的な協力関係をさらに発展させる用意があることを表明した。

 さらに、プーチンが8月12、13の両日、イランを訪問し、ロウハーニー師と首脳会談を行う計画があることも7月24日に報じられた。その会談では、イランの核開発をめぐる米欧ロなどとの協議再開の問題や、イラン南部のブシェール原発での新たな原子炉建設に対するロシアの支援、さらにS300(後述)に代わるミサイル・システムの供与問題などが議論される模様だ。なお、会談が実現すれば、ロシア大統領のイラン訪問は2007年以来となり、ロシアがロウハーニー師の大統領就任を重く見ていることがうかがえる。

ロシアとイラン 最近の関係は?

 イランの大統領を今年8月まで2期(2005年8月3日 - 2013年8月3日)務めるマフムード・アフマディーネジャードとロシア指導部の関係も、若干の紆余曲折はあったものの、かなり良好なものであった。

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