世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年8月16日

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 7月10日付け米Foreign Policy誌に、Robert Einhorn米ブルッキングス研究所上席研究員が論説を寄せ、イランの新大統領の選出を受け、米国は、イランの核問題について積極的に対処すべきであり、イランに一定の濃縮活動も認めるような包括的解決を目指すべきである、と述べています。

 すなわち、ロウハニの選出が核問題解決の見通しを改善するか否かはわからない。しかし、米国等は、選挙後の機会を利用できるように早急にアプローチを見直し、調整すべきである。

 状況が良くなっていると考える理由はある。ロウハニが圧勝した他、選挙は強硬な外交への不満を示した。ハメネイの外交顧問であるベラヤティ元外相は、「核交渉は問題を抱えている。そうでなければ、現在の状況に我々はいない」と述べた。ベラヤティは核問題と制裁に起因する困難を結びつけ、より妥協的なアプローチを主張した。これはハメネイが述べてきた考え方に反する。イランの政権内で、西側と核問題で合意することが現在の苦境から脱する道であるとの考えが出てきている。制裁がイランの計算を変えさせたように見える。

 ハメネイは核問題について最終的な権限を有し、彼は対米非妥協論者であるが、ロウハニの役割を過小評価してはいけない。核問題についての交渉経験があるし、指導層内部に彼を支持する者がいることが明らかである。

 イランが核問題見直しをする中、オバマ政権も政策見直しをすべきである。

 オバマ政権がイランの出方を見守る姿勢をとることは自然であるが、イランは自ら新提案をするよりも米提案に反応する方が易しいだろう。当局者は少なくとも交渉を進めるためにどういう政策変更をすべきか、検討すべきである。

 ここ数年、「P5+1」は信頼醸成措置、20%濃縮とフォルドゥの施設についての合意を優先事項としてきた。しかし、イラン側は、その見返りの制裁解除が不十分であるとしてきた。専門家は信頼醸成から包括的解決策に移行する時期が来たと考えている。この包括的解決策では、イランのどういう核計画を受け入れる用意が我々にあるのか、明らかにする必要がある。イランは、最終的にどうなるかを知らずに、制約を受け入れることはない。その上、ナタンズでの濃縮能力の進展に伴い、20%濃縮やフォルドゥにこだわる意味は薄れてきている。

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