World Energy Watch

2013年8月13日

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 中国ではシェルが10億ドルを投じ中国石油と組み採掘事業を展開しているが、米国の石油大手シェブロンもチャイナナショナルペトロリアムと、またコノコフィリップスも中国石化と共同でシェールガスの開発事業に乗り出している。中国が気候変動問題に取り組み石炭から天然ガスへの切り替えを進めるためにシェールガス開発を進めれば、米国企業の関与も利益もさらに大きくなる。

日本は気候変動問題で何ができるのか

 米国は気候変動問題をテコに、シェールガス技術、CCS、低排ガストラック、省エネ住宅などを、中国を筆頭とする新興国に売り込みたいのだろう。そのための石炭への戦争のように思える。しかし、新興国がCCSを備える余裕があるのだろうか。石炭の品位改善による輸送費削減、発電プラントの効率化による排出削減が現実的な解決策だ。

 米国内でも脱石炭は大きな電気料金の上昇を招く可能性が高く実行することは簡単ではない。理念を打ち出したのはよいが、実効性については大きな疑問符が付く。5年前大統領選挙の際に、オバマ大統領は環境ビジネスで500万人の雇用を創ると打ち出したが、任期途中からは環境ビジネスに触れることはなくなり、輸出振興による雇用創出に変わった。

 米国にも新興国にも大きな負担を生じる今回の政策も掛け声だけに終わる可能性がある。日本は石炭の燃焼、工場の省エネなどで実績を積み重ね、実行可能な技術を多く保有していると言っていいだろう。新技術も大切だが、まず新興国でできることから手助けすることも気候変動問題では重要だろう。

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