ヒットメーカーの舞台裏

2013年9月23日

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池原照雄 (いけはら・てるお)

ジャーナリスト

1950年生まれ。専門紙や全国紙の経済記者として自動車、エネルギー、金融、官庁などを担当。00年からフリーになり幅広い執筆、講演活動を展開。著書に「トヨタVSホンダ」(日刊工業新聞社)、「図解雑学 自動車業界のしくみ」(ナツメ社)など。

 タワー型の扇風機で、分割可能な3つの送風ユニットを備える。台座を2種類用意し、居間と寝室、あるいは風呂の脱衣所とトイレといった具合に使い分けもできるようにした。自在な使い方や実勢価格15000円前後という手頃さが受け、6月末にテレビ通販ルートで売り出すと完売の番組が相次いだ。初期生産ロットの1万台は、今シーズン中に消化の見込みという。

タワー型扇風機「スプリット・スリムファンDC」

 円筒形の送風ユニットは直径が12センチ、長さは35センチ。メインの台座に送風ユニットを3連で取り付けた状態の最大高は1.3メートルとなる。送風ユニットは90度ずつずらしてセットすることもできる。たとえば1段目のユニットは右向き、2段目は背面、最上段は正面といった具合。最大70度角の首振り機能もあり、幅広い範囲に風を送ることが可能だ。

 スイッチ機能を簡素にし、サイズも小さいサブの台座に送風ユニットを取り付けた場合は、横置きに寝かせてサーキュレーターとしても使える。風力の制御がしやすく、省エネ性能も引き出しやすいDC(直流)モーターを採用しており、メイン台座で使う場合は9段階の風量調節ができる。

 消費電力は最大で57ワットと小さめだが、風量はパワフルであり、騒音も抑制されているとの印象だ。家電や住宅設備機器メーカーのHEATEC(東京都品川区)は2007年まで、今回のようなスリムな扇風機を製造した経験があり、送風ファンの構造や制御にかつてのノウハウを生かしている。送風ユニット1台のみで運転する際は5ワットの省エネ運転も可能だ。

収納へのこだわりが
ユニークな機能に発展

 タワー型の難点はシーズンオフの収納だが、送風ユニットが分割できるので、購入時の段ボール箱(容量約46リットル)を保管しておけば、便利かつコンパクトに収めることができる。商品企画を担当した取締役企画室長の小柴博貫(39歳)は、「実は収納を優先的に考えるなかで、送風ユニットの分割というアイデアに至った」と明かす。この扇風機の魅力を決定付けるユニークな構造は、「長手のものをどう収納するか」から生まれたのだ。

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