世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年9月12日

 たしかに、アメリカの権威が落ちたということは言えるかもしれません。大使館を閉鎖されては、接受国としては、その間、アメリカは頼れないという印象を持つことは避けがたいでしょう。

 中国国内の民主化運動に対するオバマ政権の態度にも、歴代政権とは全く異質なものが感じられます。かつては、アメリカは、中国の人権弾圧を断固許さないとの態度を取り、中国側も、首脳会談ごとに民主運動家を一時釈放したりする妥協や譲歩を示してきました。しかし、最近の中国の態度は、民主運動の弾圧に際して傍若無人であり、オバマ政権もまたそれを咎めていません。この論説も言うとおり、スノーデンの扱いでも、全くアメリカに遠慮していません。これらは、中国の国力が増大したからというよりも、オバマ政権の弱腰が主な原因であると見るべきでしょう。

 保守派の論客が特に心配しているのは、今後アメリカの国防予算が削減され、中国の軍事力が増大するにつれて、アメリカに対する信頼度が落ちるということであり、この点についてのオースリンの心配は一理あります。しかし、予算の強制削減は、米議会における根深い党派対立が原因であり、容易に解決できそうもありません。

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