経済の常識 VS 政策の非常識

2013年11月4日

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 アメリカでは2014年1月31日に任期が切れる、ベン・バーナンキFRB議長の後に誰が就くかが大問題となっている(もちろん、日本でもエコノミスト業界では盛り上がっているが、日本全体としてはそれほどでもないようだ)。本命はFRB副議長のジャネット・イェレン、対抗は元財務長官のラリー・サマーズと思われていたが、最近では、その逆のようでもある。オバマ政権の中枢部では、サマーズの支持が強いらしい。もちろん、第3の人物が指名される可能性もある。

2010年6月に、欧州機器の影響について会議したオバマ大統領とバーナンキFRB議長 (提供・ロイター/アフロ)

 日本でも昨年には日銀総裁人事で大議論になっていたから、なんとなく理解できる大議論でもある。ただし、日本で大議論になったのは昨年から今春にかけて日銀総裁を選んだときだけのことで、今までは大蔵・財務省出身か、日銀出身かというだけの議論しかなかった。一方、現在のアメリカの議論で問題となっているのは、議長候補者がどこの出身か、どういう経歴かではなくて、何をしてきたか、何を考えてきたか(頭の中は分からないので、どう発言してきたか)である。

経歴ではなく
発言で選べ

 ともにカリフォルニア大学のクリスティーナ・ローマー教授とデビッド・ローマー教授(夫妻でもある)は、「FRB議長を選ぶ・歴史からの教訓」という論文を書いている(Christina Romer and David Romer, Choosing the Federal Reserve Chair : Lessons from History,〝Journal of Economic Perspectives〟, Winter 2004)。

 論文の結論は、考えが決定的だということだ。FRB議長が、経済がどのように動くかと金融政策に何ができるかの現実的な考えを持っていると金融政策は適切で、マクロ経済の成果は望ましかった。非現実的で誤った考えを持っているとき、その成果は惨めだったという。議長の考えが、過去の金融政策の成功を決定するうえで重要だったということは、将来の議長を選ぶためにも、同様に重要だということだ。議長候補者らの考えは、その発言の中にある。一方、候補者らの経歴はあてにならないという。

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