ルポ・少年院の子どもたち

2013年10月25日

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施設内の男子の性問題が深刻化

 最近の傾向として、児童養護施設からの措置変更が多くなってきている。そもそも児童養護施設とは両親がいない、または両親のどちらかが突然いなくなった、親が養育出来なくなったなどの子が保護される施設である。また最近顕著なのは虐待を受けている子が家庭から保護されて入ってくるケースだ。

 このように家庭に問題があるから入所しているはずなのに、近年施設の中で社会的不適応の子たちが増えてきている。職員への反抗、万引き、暴力、いじめ、性加害、不登校等の問題を繰り返し、児童養護施設では扱い切れなくなって児童自立支援施設に措置変更になる。

 中でも近年児童養護施設内での男子の性加害が増加傾向にあるという。茨城学園に関しては女子の性被害、いわゆる援助交際等、成人男性との関係を持つ性被害数は激減している。

 施設内での性の問題は全国的に研究が行われるほど深刻になってきているようだ。

 「近年になって男子の性問題が出てきたのですが、以前からあったんだと思います。ただ最近になってそれが顕在化してきただけではないかと思います。暴力事件とは違って見つかりづらいんです。この問題と発達障害等を有する子どもたちの増加が、ここ最近の児童自立支援施設の二大課題だと思います」

 と茂木は施設が抱える問題点を指摘し、鈴木が後を受けた。

高校卒業が大きな課題

「今が積もれば明日になる」。担任から生徒たちへのメッセージを見せてくれた鈴木副校長

 「あまり学校にも通っていなかった子たちだから、500点満点の学力診断テストで100点に満たない子たちがいます。小学校1年生の漢字がやっと書ける子や、中学生になっても九九が言えない子がいます。みんな勉強してないですからね、施設にはこういう子たちがいっぱいいるんです「

 「さぼってできないのか、生まれつきで能力的に勉強してもできないのかを我々は見極めなければいけません。教員はそれぞれ出来ることから個別に教えていくのですが、中学生の吸収力は凄くて、びっくりするくらいに伸びる子がいることも確かです。過去に100点に満たなかった子が400点以上も取れるようになった事例があります。その子は県内トップの進学高校に合格して、今では人気の一流企業の正社員として頑張っています」

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