世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年10月24日

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 ASEANがより大きな役割を果たすためには、ASEANは真の共同体になる必要がある。その上でASEANは宣言作りから実際問題の解決に力点を移す必要がある。

 ASEANは既存の地域構造の中で中心的地位を占めてきたが、それを続けられるか。もしASEAN諸国が領土紛争など実質問題に取り組み、かつこれらの問題は共同体建設と切り離せないと考えれば、そうなるだろう。そうでないと、ASEAN抜きのTPPのような地域取り決めが出来ることになる。

 ASEANがアジア太平洋の中心であるためには努力がいる。これに失敗すれば、大国自らが地域の将来を決めることになろう、と論じています。

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 この論説はASEANの地域秩序への貢献を肯定的に評価した上で、ASEANが東南アジアで中心的役割を引き続き果たすためにASEANを強化するべきであると論じています。

 アマダーはASEANが真の共同体となっていくことが役割を果たす上で重要であると指摘しています。共同体作りが加盟国間で対中政策調整を十分に行うことにつながれば良いでしょう。現状では、対中政策はばらばらであり、中国に分断される余地を残しています。

 また、ASEANには、中立を重んじる伝統があり、米中の間で上手くやっていきたいとの気持ちが強いです。しかし、米中対決が厳しくなると、そういう中立路線で諸問題に対応し得るのか、疑問です。

 ASEANは、国内のあり方のモデルとしては、中国よりも米国や日本に好意を持っていると思われます。

 ASEAN側には、米国がアジアへの関与を弱めていくのではないかという懸念があるとアマダーは指摘しています。

 日本としては、ASEANの強靭化を支持することが重要です。本年12月、安倍総理は、ASEAN首脳を日本に招待して、日本ASEAN首脳会談を開催することを決めました。こうした機会を通して、日本とASEANとの関係を深め、ASEANの地域機構としての確立を日本が側面支援して行くことは、アジアの平和と発展にとって極めて大切なことだと思います。

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