世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年10月29日

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 中国の経済成長の恩恵に大いに与ってきたアフリカだが、中国経済が減速しても、アフリカの経済成長が頓挫することはないだろう、とエコノミスト9月21-27日号が論じています。

 すなわち、アフリカは一次産品ブームもあって、ここ10年間でGDPが年率5.5%で成長し、中国は最大の輸出先としてアフリカの成長に貢献してきた。ところが、ここに来て中国経済が減速し、重点も資源獲得のための投資から消費者主導の成長へと移りつつある。また、中国に次ぐ輸出相手国のブラジル、インドも成長が鈍化し、既に一次産品の輸出価格は低下している。エコノミストの8月商品価格指数は、1年前と比べて14%低かった。アフリカの目覚しいGDP成長は終わりなのだろうか。

 確かに、サハラ以南20カ国の輸出の少なくとも4分の1を占める一次産品への需要の低下や価格の低下は、税収の低下、従って公共投資の低下につながり、アフリカ全体に打撃を与えかねない。

 しかし、中国の経済減速の全面的影響が出るにはしばらく時間がかかるだろう。例えば、鉱業は、相当数の投資プロジェクトが既に進行中のため、鉱業生産への直接の影響は小さいはずである。

 また、公共支出がすぐに縮小するとも思えない。多くのアフリカ諸国は公的債務が少なく、財政運営も改善しているので、民間融資へのアクセスがある、と専門家は指摘する。

 さらに、税収の5分の1以上を資源に頼るサハラ以南10カ国のうち、7カ国は石油輸出国である。他の一次産品と違い、石油は価格が割合安定している上に、中国の個人消費の拡大は、原油や液化ガスへの需要を押し上げる可能性が高い。ただ、銅・鉄鉱石に依存するコンゴやギニアなどは、中国の投資熱冷却のあおりを受けるだろう。

 それでも中国経済の減速と構造改革は、アフリカにとってむしろ好機となる可能性がある。投資利益の拡大を意識し始めた中国企業は、有利な投資先を国外に求める可能性があり、その場合、向かう先は当然、比較的競争が少ないアフリカになる。

 実際、中国はアフリカを天然資源の採掘場所としてだけでなく、ビジネスの場としても見るようになってきた。2011年のIMF調査によれば、中国の対アフリカ直接投資で鉱業が占める割合は29%でしかない。

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