世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年11月1日

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 9月26日付Wall Street Journal紙で、Sadanand Dhume米AEI研究員は、改革が遅れ経済成長率が低下しているままのインドでは、米国外交においてあまり重要視されなくなってしまうだろう、と論じています。

 すなわち、2007年の米印原子力協力協定の締結以来、米国は、世界におけるインドの役割がこれから高くなっていくものと評価してきた。しかしインドでは、遡及課税、知的所有権保護の欠如、ガバナンスの麻痺、ポピュリスト的財政政策、官僚主義等が、国家資本主義と保護主義への逆行を生み、成長率は6年前の10%に比し本年は僅か4%に下落した。

 米印貿易が摩擦の種となることも少なくない。6月には170名以上の下院議員がオバマに書簡を発し、機器類の調達に当たってインド政府が設定した現地生産率が不当に高いことに懸念を表明した。米側も、インド人ITエンジニアの入国に制限を課したり、液化天然ガス(シェール・ガス)の輸出を個別承認制にしたりしている。

 このような悪循環を破るためには、米印両国が投資保護協定を結ぶとともに、インドは知的財産保護措置を改善し、税制における朝令暮改を避けなければならない。

 希望はある。インドは、民主的な資本主義国で、中国の覇権主義に対する拮抗力となる、あるいはアジア重視政策の重要な構成要素であると見る米国人は多く、両国間の協議の頻度、レベル、質は高まってきている。兵器の取引きはこの10年間で100億ドルを超えた。

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