世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年11月4日

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 10月5日付ワシントン・ポスト紙に、Matthew P. Goodman元オバマ政権NSCスタッフとMichael Green元ブッシュ政権NSCスタッフが連名で寄稿し、アジア訪問中止による悪影響を払拭するため、オバマ大統領はアジア訪問の日程を再調整するとともに、TPPに対する議会支持を取り付け、更には国防省の対アジア戦略を妨げないように予算強制削減への対策を講じるべきである、と提言しています。

 すなわち、オバマ大統領のアジア訪問中止は、アジアにおける米国のポジションを後退させるものである。

 米国大統領が国内政治を理由に、アジアでの重要会議を欠席した例は過去にもある。1995年、クリントン大統領は、政府閉鎖を理由に、大阪APECを欠席した。当時、クリントンの欠席には様々な批判があったが、翌春に訪問した日韓両国では歓迎され、同盟強化をもたらした。

 アジア太平洋地域の経済は、今や世界のGDPの半分以上を占めている。また、多くの国々は、中国の強硬的な態度を懸念して、好ましいバランス・オブ・パワーを維持するための米国の積極的関与を熱望している。第1次オバマ政権で掲げられたアジア回帰論は、概ね歓迎されたが、今やそれは疑いの目で見られている。同戦略の担い手であったヒラリー・クリントンは政権を去り、国防予算の強制削減は太平洋における米軍の能力を弱めている。そして、ここ最近のオバマによる国連アプローチは、彼の主たる関心が中東にあると見られている。

 今回のアジア訪問中止を挽回するために、オバマ大統領は以下のことをする必要がある。

 第1に、オバマは来春に向け、アジアを再度訪問する計画を立てる必要がある。その際、オバマは日本と韓国に立ち寄るとともに、ASEANの指導者に会うため東南アジアも訪問すべきである。

 第2に、オバマはTPPに対する議会の支持を取り付けるために尽力すべきである。米国のフローマン通商代表は11の関係国とうまく交渉を進めているが、それは必ずしも議会の明確な支援の下でやっているわけではない。

 第3に、ホワイトハウスは、国防予算を強制削減から保護する必要がある。ヘーゲル国防長官は今回アジア3か国を訪問したが、現在のような政治状況下では、同地域の米軍計画を充分に立てられない。アジア諸国は、米軍の関与能力を見定めようとしている。

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