2024年4月19日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年11月12日

 最近の東南アジア訪問では、オバマ米大統領の不在に乗じて中国の影響力が増大したと言われています。たしかに習近平、李克強は、精力的に首脳会談やスピーチを行ってその存在感を示していますが、今まで知る限りでは、東南アジア諸国に与えた具体的な影響は、それ程大きくないようです。それは、中国の夢と新しい二大国関係を謳った、6月のカリフォルニアにおける米中首脳会談の成果がなかったのと同じと考えられます。上記のような硬直的姿勢をとっていては、中国の外交的攻勢は、当面さしたる成果を挙げられない状況にあると思います。

 どうして、外国に影響を与えない政策に固執するのかと考えるならば、国内的原因以外にありません。おそらくは、外部からは容易に窺い知れない内部の権力闘争のために硬直的姿勢をとり続けているのでしょう。

 それは、習近平体制の政治基盤がいまだ不安定で、自信がないことをよく示しています。

 「求是」のあげる6点は、国内において、それらを主張する人たちがいることを逆説的に証明していると思われます。このような主張は基本的には国内向けであり、直ちに対外向けの政策を意味するとは思えませんが、国内の不安定要因がなにかのはずみで対外姿勢に転換されることもあり得ることには警戒が必要でしょう。

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