2024年4月19日(金)

ペコペコ・サラリーマン哲学

2009年4月21日

 私はなんでこんなことをしたのかチョット考えてみたことがあります。それは「自分がかわいいから」でした。駅員さんより優位に立ちたいから、駅員さんに同情し、駅員さんを誉めている自分を発見してしまいました。偉ぶりたい、人より偉ぶりたい、人よりずっと自分がかわいいから偉ぶりたい・・・という自分を見つけだしました。

 駅員さんにお礼を言うことは、たいしたことではないかもしれません。でもそんなことが社会を良くすることもあると思うのです。庶民にできることはその程度ではないでしょうか。

 私は事務所を訪れたお客さんに、必ず自分自身でお茶をいれるようにしています。そして、お帰りになるときは、一緒にエレベータに乗って、ビルの下まで行って、一番初めの曲がり角でお客さんが見えなくなるまでお送りするようにしています。気持ちよくわかれることで自分をかわいがれることに気がついたからです。

 そんなことをすると、たいていびっくりされますが、私がそういうことをするのは、私が聖人君子だからではありません。

「トクすることしかやらない」をとことん追求する

 私は、「タダで相手が喜ぶのなら、こんなに自分にとってトクなことはない」と思ってやっているのです。こういった行為は、お互いに悪い気持ちになりません。しかも「タダ」で「ほんのチョットの時間」で済み、「私のようなぐうたら人間でも確実にウォーキングもできる」、その上「並んで歩いている間にとてつもないいい約束ができてしまうこともある」のです。

 「カネコさんはいい人だ」とタダで人に思わせ錯覚を起こさせてしまうなんて、こんなに「トク」なことがあるでしょうか。こういうことを積み重ねて繰り返して自分をかわいがっていると、中途半端な個人主義ではない、「自分勝手な利己主義の自分を発見する愉快さ」を感じるようになります。そして、それが人生の楽しみになっている、ひねくれた私がいるのです。

 私は自分がトクをすることしかやらない人間であることにとても満足しています。

 どうして私がそういうふうに考えるようになったかといえば、逆説的な言い方になりますが、それは、38年間のビジネスマン人生で「叱られて、叱られて、叱られまくったから」です。

 私がいかに叱られ、そこから何を感じたかについては、次回、お話ししたいと思います。


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