今月の旅指南

2013年11月22日

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狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

 葛飾北斎といえば、江戸時代を代表する浮世絵師であり、ドガやモネ、ゴッホなど、ヨーロッパの芸術家に影響を与えた画家としても知られる。その国際的な評価は今も不動だ。日本美術コレクションの宝庫、米国ボストン美術館から、世界を魅了した北斎作品が里帰りを果たす。

葛飾北斎 「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」
天保2(1831)年前後
William Sturgis Bigelow Collection
11.17652 Photograph ©2013 Museum of Fine Arts, Boston. All rights reserved.

 これまで門外不出となっていた作品も含めて約140点が勢ぞろい。90歳で没するまでの70年の長きにわたる北斎の画業が展観できる。中でも注目なのが、武者絵「難波六郎常任」や団扇絵「菖蒲に鯉」など、ボストン美術館にしか所蔵が確認されていない作品や、切り抜いて組み立てる組上絵などの珍しい作品の数々で、まだ知らなかった北斎作品に出会う楽しみも尽きない。

 誰もがイメージする代表作「冨嶽三十六景」をはじめ、「諸国瀧廻り」や「百物語」なども、保存状態が優れたボストン美術館の所蔵品ならではの、色彩美が堪能できる。ダイナミックな構図の妙で知られる「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」は、音楽家ドビュッシーに作曲の着想を与えた作品としても名高い。往時の人々の心をとらえた、その鮮やかなベロ藍の色彩は必見だ。

ボストン美術館 浮世絵名品展 北斎
<期間>2013年12月21日~2014年3月23日 *2013年12月27日~2014年1月1日を除く
<会場>名古屋市中区・名古屋ボストン美術館(東海道本線金山駅下車)
<問>☎052(684)0101
http://ukiyoe.exhn.jp/

◆「ひととき」2013年12月号より

 

 

 

 
 

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