ブルキナファソ見聞録

2013年11月15日

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岡田綾 (おかだ・あや)

JICA職員

1982年兵庫県西宮市生まれ。小学校6年生のときに阪神・淡路大震災を経験。2005年京都大学文学部社会学科、2007年同大学大学院地球環境学舎環境マネジメント専攻修士課程修了。環境やコミュニティ防災について学ぶ。就職活動では、「その人自身のせいではないが、理不尽な境遇におかれてしまった人のために仕事をしたい」と考え、他の関心事項であった「途上国・国際協力」も満たす組織として、独立行政法人国際協力機構(JICA)を志望し、2007年入構。地球環境部、広報室などを経て、アフリカ勤務を希望し、2012年12月よりブルキナファソ事務所に赴任。

 ブルキナファソの学校は10月から新学年がスタートする。10月1日。鞄を背負った小学生たちがきゃっきゃと楽しそうに笑いながら歩いていた、との話を聞いた。確かに外勤で出かけた時にも友達とふざけながら歩く子供の姿を見かけた。そうか、学校が始まったのが嬉しいんだなあ。自宅から職場までの道中には学校がないので、いつもいつも子供たちに出会うわけではないが、時々職場の前を学校帰りの子供が通ることがある。

 10月2日。昼休みになって外に出たら、兄弟と思しき2人の子供が学校から帰っているところだった。学校で嫌なことがあったのか、熱い中で歩き疲れたのか、弟はうつむき加減で兄の後ろをとぼとぼ歩く。兄は弟の鞄を持ってあげて、2、3歩前を静かに行く。そんな様子を見て、前日には楽しそうな子供たちを家の近所で見かけたという同僚は、今朝はその溌剌さはどこかへ行って、近所の子供もみんな割と大人しく歩いていたなあと言う。

 新学年が始まる初日の気持ちの高ぶりと、翌日には少し落ち着いて日常に向かっていく独特の数日間は、私も身に覚えがあって、どの国の子供も同じだなと気持ちが和んだ。10月に入っても、新学年が始まって生徒の登録だなんだと、すぐには授業が始まらないと聞いていたが、1カ月経ち、町で見かける子供たちにとって、毎日の学校はすっかり日常になったようだ。

初等教育の総就学率は改善するも…

 潤沢な資源を持たないブルキナファソにとって、人的資本の充実を図ることを政府も重視していて、「持続的な開発及び成長の加速化戦略文書(SCADD)2011-2015」というブルキナファソの開発計画を示した文書の中で、教育分野の振興が掲げられている。これまでの努力の結果、ブルキナファソの初等教育(6年間)の総就学率は2002年の48.7%から2011年の79.6%へと大きく改善しているが、ニジェールやセネガルといった周辺国に比べれば、まだ低い数字となっている。

 さらに前期中等教育(4年間)の総就学率を見てみると、2011年は34.9%。初等教育に比べると大きな差があり、初等教育を修了した生徒を受け入れるキャパシティが十分にないことが課題として挙げられる。実際のところ、初等教育を修了してもすぐに中等教育に進めず、初等教育の最終学年で自主的に留年する生徒もいるようで、そうした生徒も含めて、毎年30%前後の生徒が留年しているようだ。

 また、高い総就学率があっても、全員が初等教育を修了できる訳ではないので、貧困などを理由に次第に通えなくなる子供がいることも忘れてはならない。人口増加が年3%の勢いで進むブルキナファソは、子供の増加に教育インフラ(物理的な教室、先生の数など)がついていけておらず、学校によって差があるため一概には言えないものの、訪問したことのある小学校では、1クラス60人の生徒が肩を寄せ合って学んでいた。そういった学習環境の制約が学力低下にも繋がっていると指摘されている。

1クラス60人

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