40代からの脳力の磨き方

脳は適度な運動でまだまだ活性化できる
40代からの脳力の磨き方(第3回)

久保田競(くぼた・きそう)
東京大学医学部を卒業後、同大大学院で脳神経生理学を学ぶ。1967年に京都大学霊長類研究所で助教授から所長を歴任し、京都大学を退官。京都大学名誉教授に。現在も研究活動を続けながら、森之宮病院と日立製作所基礎研究所の顧問、国際医学技術専門学校の副校長を兼任。著書に『脳を良くする小さな習慣』(アスキー)『衰えない脳は14日でつくれる』(大和書房)ほか。

40代からの脳力の磨き方

ベールに包まれた脳のメカニズムをわかりやすく解説し、今すぐ誰でも手軽にスタートできる脳力アップの秘訣を伝授します。

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ゆっくり歩くより
ジョギング程度に走ろう

 エクササイズのなかでも手軽なウォーキングやジョギングでは、脳にどのような変化が表れるのでしょうか。

図1 歩く速さによる脳の活動の変化

 図1は、04年に私が行った実験結果です。ウォーキングマシンで時速3㎞(軽いウォーキング)、5㎞(早歩き)、9㎞(ジョギング)で1週間続けて運動した人の脳を調べたところ、3㎞では運動野の4野が働き、5㎞になると4野と運動前野の6野が働くことがわかりました(図2参照)。4野や6野は運動を司るところなので働くのは当然ですが、注目すべきは9㎞の速さで走ると前頭前野の46野あたりが働くようになる点です。ここは、以前にお話ししたワーキングメモリーにあたる領域で、短期記憶をしたり情報を分析して計画を立てるときに使います。この領域がよく働くということは、頭の回転が早くなるということです。

図2 大脳の左半球の構図 (ブロードマンの脳細胞構築図)

 この実験結果から、運動で脳を鍛えるためには、ゆっくり歩くより軽く走ったほうがよいということがわかります。

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