世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年11月28日

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 10月21日付ロスアンジェルス・タイムズ紙で、Mike Gifford駐北朝鮮英国大使は、北朝鮮は国際社会に門戸を閉ざしているが、鍵まで掛けている訳ではないので、賢明な関与政策を仕掛ける余地はある、と述べています。

 すなわち、北朝鮮の人権状況は最悪であり、核・ミサイル開発や軍事技術の他国への輸出も続いている。それでも、北朝鮮の体制と建設的に関与することは可能であろう。

 英国は北朝鮮に大使館を置く西側諸国の1つであるが、その目的は北朝鮮を外部世界と前向きに関与させ、挑発的・抑圧的行動を止めさせることにある。

 昨年、北朝鮮は、国連安保理決議に違反する衛星打ち上げを二度にわたり行い、2013年に入ると、国際社会を挑発するかのように三度目の核実験に踏み切った。

 この春には、韓米両国に攻撃的な脅しを掛け、開城工業団地を閉鎖し、過去60年間にわたり朝鮮半島の平和を守ってきた休戦協定を一方的に無効と宣言した。

 緊張が頂点に達した4月には、平壌に在る全ての大使館と国際機関に対し、全面戦争に際し安全を守れないとの理由で、安全な避難場所に連れて行かれることに同意するか、撤退するかの何れかを選ぶよう要求した。この脅しに屈して職員を引き揚げた大使館は1つも無く、英国を含むEU諸国は、逆に、北朝鮮に対し、外交官の安全を守る責任と国連加盟国としての責任の重要性を指摘した。

 英国の関与政策の重点は、北朝鮮と国際社会における他者とを結び付けることと、弱者を支援すること、の2つである。

 英国は、既に成果を挙げている平壌の6大学と1中学校での英語教師養成の継続につき交渉中である。また、最近、英国政府の奨学金により、北朝鮮の大学院生2名をケンブリッジ大学に派遣した。更に、高齢者、障害者、授乳中の母親への支援も行なっている。

 WFP、UNICEF、WHO等の国際機関も、健康管理、衛生、教育、障害者の権利、農業などの分野で立派な活動をしている。これらの活動は、特に、首都圏以外の栄養不良と物資の欠如が顕著な地域では、不可欠である。

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