世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年11月29日

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 オーストラリア国防大学教授のカール・セイヤーが、習近平国家主席はインドネシア議会において、中国とASEANの間で「善隣友好協力条約」を締結することを提案したが、その意図するところは明瞭ではないため、今後慎重な対応が求められる、と10月16日付Diplomat誌ウェブサイトで述べています。

 すなわち、東南アジア諸国の首脳会談のシーズンは終わった。メディアはオバマの会議欠席と対比して、習近平の順調なデビューの模様に多くを割いた。また、メディアは習近平のアジア・インフラストラクチャー開発銀行の構想や中国・インドネシアの中央銀行間の通貨スワップ取り決めなど、経済面での活動についても多く報道した。

 しかしながら、メディアは習がインドネシア議会で行った中国の安全保障面でのイニシアティブにほとんど注目していない。習は、中国とASEANとの間で「善隣友好協力条約」を締結することを提案した。

 この構想は、中国の学者によれば、ASEAN諸国との平和的関係を固め、これら諸国の中国に対する不安や恐れを解消することを目指しているという。

 習のインドネシア、マレーシア訪問に引き続き、李克強首相はブルネイで中国・ASEAN首脳会議に出席し、7つの分野についての協力を提案したが、そのなかに、「善隣友好協力条約」の締結、海洋における協力、安全保障分野での対話などが含まれている。李はこれらの多分野での協力を「新しい安全保障の概念」とも呼んでいる。

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