2024年4月20日(土)

中国メディアは何を報じているか

2013年11月26日

 この2週間で航空宇宙産業では全体的に株価上昇が顕著だが(11月9日から12日にかけて開かれた第18期党中央委員会第3回全体会議〔通称3中全会〕で国防分野でもその強化と民間の活用が決定され、軍需産業の株価が上昇中:筆者)、この分野の上昇は合わせて12.8%にもなり、22の航空宇宙産業だけで上昇率は20%となった。「航天長峰」、「航天通信」、「中国嘉陵」、「航天動力」、「洪都航空」、「中航電子」、「中航動控」などの株式は短期間で伸び幅が30%を超えた。

 資金の流れから見ると、この2週間で航空宇宙産業分野の軍需産業への資金流入があり、この期間で個別の株価が1000万元(1元=16円。約1億6000万円)を超える株が37となり、10の銘柄(「洪都航空」、「中国衛星」、「航天電子」、「航空動力」、「中航動控」、「中船舶」、「航天長峰」、「中航電子」、「中航精機」、「航天動力」)で資金流入は合計で21億6800万元となった。

 多くの業界関係者は、軍需産業の株価上昇は始まったばかりで2014年全般にかけて航空宇宙産業で投資の機会があると見ている。この分野で2012年が転換点の年であるなら、2013年は門出の年といえるかもしれない。国の政策、産業発展の趨勢、軍需産業の証券化(株式市場での資金調達)といった3つの側面から見て、この業界は中長期的な投資価値があるといえよう。

 信達証券によると、国家安全保障にはまず強大な軍事力が必要であり、国防科学工業を基礎とした軍事装備は一国の軍事力を構成する重要な要素である。そのため軍需産業は絶対に重視される分野だというのだ。そしてその中でも航空宇宙産業の技術レベルは国の防衛技術が集中する分野であり、中国の国防や軍事の近代化には極めて重要な位置を占めている。航空宇宙産業のような最先端技術が詰まっている軍需産業は確実な成長業界だという。

 投資の機会という側面では「航天証券」によると、航空機製造業では「哈飛股份」、「洪都航空」が注目に値するという。航空機の部品では「中航電子」、「中航精機」などの株だ。北斗衛星ナビゲーションシステム関連分野では今年(2013年)は依然、初期投資?を行う、市場開拓期だが、来年(2014年)からは業績に表れると見込まれており、「中国衛星」や「国騰電子」が注目に値する。「兵器集団」系統では「長安自動車」、「北方創業」といった株式が優良株とされている。

「防空識別圏の設置は十分に法律に依拠している」

記事②【2013年11月25日 中国証券報ネット版(抄訳)】 

 「中国衛星」社の証券部関係者によると、同社では中型、小型の衛星分野では国内の上場企業の中で圧倒的な優勢を誇る。軍事と民間領域はセットになっており、同社関連の上場企業では「海格通信」(本社・広東省広州市。もともとは海軍艦艇用の無線機器を製造する国営750工場から発展:筆者)や「北斗星通」(本社・北京市)といった企業が恩恵を受けるだろう。(北斗星通等の衛星やレーダー業界が恩恵を受けるだろうというあからさまな別の記事もある)


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