2024年4月20日(土)

解体 ロシア外交

2013年11月28日

プーチン大統領がノーベル平和賞候補に?

 特に、一度はシリア攻撃に踏み切ろうとしたオバマ大統領がノーベル平和賞受賞者であったというのも皮肉な事実であり、このことについてはプーチン氏も皮肉る発言をしていた。

 実際、このフォーブスのランキングとは無関係に、9月頃、シリア危機を平和的解決の方向に導いた立役者として、プーチン大統領がノーベル平和賞候補になるのではないかという報道がロシア国内外のメディアで盛んに報じられた。ロシアの愛国主義的団体は、ノーベル平和賞にプーチンを候補者として強く推す書簡を送ったという。また、ノーベル平和賞委員会も、このような報道の過熱に対して、否定も肯定もせず、あながち、このような報道が全くの見当違いでもないことをにおわせていた。だが、今年のノーベル平和賞受賞候補者ノミネートは2月に終わっており、プーチン氏は来年の選考の候補者にされるという。

 加えて、同じ9月には、米国のニュース雑誌『タイム』国際版の表紙をプーチン氏が飾った(ただし、国際版のみで、米国版は異なる表紙であった)。表紙には、写真と共に、「世界はウラジーミル・プーチンに従う」「米国は弱くて煮え切らない。ロシアは勢いがあってよみがえった。 そしてリーダーはほかの人の評判を気にしない」とも書かれており、前述の『フォーブス』誌のランキングを予測しているかのようであった。これもやはり時期的に見ても、シリア問題での功績が評価されてのことだろう。

プーチンはランキングを警戒?謙遜?

 それでは、プーチン大統領その人は、フォーブスのランキングのトップに選ばれたことをどのように考えているのだろうか。

 プーチン氏は11月12日に、韓国KBSテレビの取材に応じた際、初めてこのランキングについてコメントし、これは「警戒せねばならない」ものだと答えた。このランキングの結果は、プーチン氏が、長年「米国の一極的支配」に反発し、米国とロシアの対等の関係を主張してきたことに鑑みて、プーチン氏の勝利に見える。そうだとすれば、プーチン氏は喜ぶべきだと思われるのだが、何故だろうか。


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