喧嘩の作法

2013年12月16日

»著者プロフィール
著者
閉じる

久慈直登 (くじなおと)

日本知的財産協会専務理事

1952年岩手県久慈市生まれ。日本知的財産協会専務理事。本田技研工業株式会社知的財産部長を経て2012年より現職。主要論文としては国連世界知的所有権機構による世界への環境技術普及のための「WIPO Green」として採用された「プロバゲイティング グリーンテクノロジー」など。

知財の見識高かった

本田宗一郎の発言録

 ホンダは創業からずっとチャレンジャーの姿勢をとり続けていることもあり、歴代の経営者にとって知財は得意分野である。本田さん自身も知財についての見識が高く、多くの発言が記録されている。

 例えば「困った時、苦しい時の知恵が尊い。発明する条件で一番いいのが苦しむ事、経験する事。苦しむほど他人から見ればわずかな発明でも自分にはどれだけ栄誉か」という発言は、自らの発明者としての実際の経験によるものだが、技術者たちへの発明創出の励ましのメッセージとして、これに優るものはないであろう。

 「権利は金をかけてでも、裁判してでも、主張しろ!」という発言もある。これにより、知財を保有するならそれは使われなければいけない、というホンダの知財ポリシーが生まれる。実際にホンダが原告として行った知財訴訟は他の企業と比較して圧倒的に多い。

 これらの発言は社内で本田さんの知財の発言集としてまとめられている。

 本田さんの1971年の言葉。「たゆまず積み上げた独自の技術をベースとして、初めて開発されたということ。これら自らの手で創りだした技術を駆使することによって、見せかけでない、誇りある繁栄ができるのだと確信します」。

 オープンイノベーションによる世界中の研究者との連携も有効な研究開発の手法であるが、企業がコア技術を自ら開発し、その領域で知財を集中的に強化し、権利行使により威力を示すことによって、誇りある繁栄を続けることができるのである。

◆WEDGE2013年12月号より










 

「WEDGE Infinity」のメルマガを受け取る(=isMedia会員登録)
「最新記事」や「編集部のおすすめ記事」等、旬な情報をお届けいたします。

編集部おすすめの関連記事

関連記事

新着記事

»もっと見る