うつ病蔓延時代への処方箋

2013年11月29日

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 心の病は、医師のみが治療対象とするような「病気」ではない。医師を含め社会全体で解決していく「社会問題」だと考えています。その問題が引き起こす社会構造を自分なりに分析してみました。そこから導かれた結論が、「誰もが、そばに居て、自分を受け入れてくれる人を見つけること」です。

 この考えを基に、普通の一般の人が参加できる仕組みを構築する行動を始めたのが2010年から。その後、NPOの認可を受け現在に至っています。

うつは人間関係の中で支援するべき

―― うつ症状に陥っていても自身の変化が分からず、悪化させてしまうケースを良く聞きます。それを周囲の人が気づき、適切な行動をとれるようにしていく仕組みということですね。もう少し具体的に教えてください。

石井:医師を含め専門家の存在を否定しているのではありません。日常で身近にいる人の存在が重要だということです。一生懸命に支えているのだけれど効果的でなかったり、支えている人が疲れてうつになってしまったりすることもあります。こういう状況を解消するため、周囲にいる人がセルフケアと効果的なケアができるようになることを軸にしています。

傾聴力向上を目指す「聴くトモ養成講座」

 もう少し具体的にいえば、持続的な支えを可能にする「支え手のこころのセルフケア」、より深く話を聴くことで相手をうまくサポートするスキルを身につける「傾聴力向上」などを内容とする講座の開催や、スキルを身に付けた人たちが仲間になり、成功事例、失敗事例などを学ぶ事例報告会などです。

―― サポートの対象としているのは20歳代の若者を中心にしているようですが、将来的にも変わらないのでしょうか。また、若者と中高年のうつ症状の違いについても教えてください。

石井:10年先を考えれば、時代の変化にも対応したカスタマイズは必要だと思います。ただ、根本的には年代に関係なくソーシャル・ネットワーク、つまり人間関係の中で支援していく仕組みは普遍的であると考えています。身近な人のケアが最も大切であり、これが予防になり、回復のきっかけになります。

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