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2014年1月10日

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田牧一郎 (たまき・いちろう)

田牧ファームズ代表

1952年福島県郡山市生まれ。田牧ファームズ代表。コメ生産者として郡山市で15年、カリフォルニアで20年、「国際競争力のあるコメつくり」をテーマにコメの生産・販売を行う。2012年からはウルグアイで事業を開始。世界の「おいしいごはん」マーケットに輸出を計画。日本のコメ産業も強くなれるはずと、日本でも試行錯誤中。

 加工食品などの原料になるコメのことを加工用米と呼びますが、米国で最も多く加工用米を使うのは、ビール業界だと言われています。ミズーリ州セントルイスに本社を置く世界的なビールメーカーでは、原料のコメをカリフォルニア米から東南アジア産米に切り替えたことが話題になったこともありました。

日本のコメ農家は
加工用米も生産すべき

 なぜ、日本の加工食品メーカーは、コメ輸出国に進出し、形を変えてコメを輸入したり、現地のコメを使って製造したりするのでしょうか。

 まず、コメ輸出国では、コメ加工業が大きな産業として成り立っています。加工に使われるのは、主に砕米。精米工程で発生する1~2割の砕米を副産物として、安価に流通させているのです。その原料価格の安さが、日本の加工食品メーカーを引き付ける要因のひとつになっています。

 一方、日本では、主食用米が重視されるため、精米の歩留まり率も高く3~5%程度のくず米が発生するものの、市場にはあまり出回りません。12年の国産米では、主食用の生産量は821万トンだったのに対し、加工用はわずか18万トンで、飼料用と同量でした。

 しかし、米菓や酒類、調味料などの原料としてのコメの需要は大きく、大手を中心にコメ加工業が海外に出ている事実があります。加工用米の関税を撤廃し、安価な外国産米を自由に輸入できるようになれば、日本の加工食品メーカーは海外に工場を置くことなく、国内で産業を育成することができるのです。外国産米に頼らずとも、生産量を調整し価格を維持する減反政策を見直して加工用米の流通量を増やし、外国産米と競争できる低価格化を実現させれば、国産米でもコメ加工業の産業の空洞化を防ぐことが可能になるはずです。 

◆WEDGE2013年12月号より










 

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