2024年4月25日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年12月20日

 イスラエルは、制裁緩和は制裁の崩壊につながると警告してきました。対イラン制裁には中露印など多くの国々が乗り気ではありませんでしたから、この警告は現実化する可能性があります。「P5+1」の団結は、米国の議会が制裁強化をすれば、消えてなくなるでしょう。米国が合意をないがしろにするのを国際社会は許容しないでしょう。その意味で、ウォール・ストリート・ジャーナル紙の社説は、現実的な提案とは言えません。

 ウラン濃縮の権利を認めたと言いますが、主権国家は国際法で禁じられていないことは出来ます。ウラン濃縮は一般国際法上禁止されていない以上、出来ます。NPT上、核兵器を作らないという義務を負っているだけです。濃縮権を付与するなどの議論の立て方が間違いです。イスラエルは濃縮をしています。

 なお、ウォール・ストリート・ジャーナルの社説では、イランが北朝鮮同様騙した場合はどうなるのか、と言っていますが、合意を結んでも騙すかもしれないというのは外交を否定するような話です。レーガンがかつて言ったように、「信頼せよ。しかし検証せよ」という考えが外交を成り立たせます。

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