2024年4月17日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年1月9日

 米国の指導者は、ADIZ、南シナ海などで、いかなる費用をかけても守るに値する原則問題がある、と考えていることを中国に知らしめるべきである、と論じています

* * *

 この論説は、的を射た良い論説です。少しずつ相手に譲らせ相手の原則を掘り崩すという、いわゆるサラミ戦術は、どの国も時折採用する戦術ですが、旧ソ連や中国など、共産主義国が得意とする戦術です。中国が沿岸海域、空域でやっていることをコモンの利用の自由という原則を守る観点から評価し、対応するのは正解です。航行の自由さえ守られればよいと考えるべきではありません。

 中国によるADIZ設定に対する日本の対応は、中国の行為を原則に触れるとして拒否しています。これは、良い対応です。ADIZの設定を認めず、日本の航空機が飛行計画を中国当局に提出することを認めない、というのは、各国の対応の中でも、コモンの自由な利用の原則に最も合致しています。そして、幸い、過剰反応と言うような声は出ておらず、これも良いことです。

 原則が絡む問題については、とにかく丸く収めるなど、事なかれ主義の対応は将来に禍根を残すことになることが多いので、軽々に譲るようなことは、断じてやってはなりません。

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