WEDGE REPORT

大虐殺から20年 「奇跡」と呼ばれるルワンダの発展

WEDGE編集部 伊藤 悟 (いとう・さとる)

WEDGE REPORT

ビジネスの現場で日々発生しているファクトを、時間軸の長い視点で深く掘り下げて、日本の本質に迫る「WEDGE REPORT」。「現象の羅列」や「安易なランキング」ではなく、個別現象の根底にある流れとは何か、問題の根本はどこにあるのかを読み解きます。

»最新記事一覧へ

 「良い計画は誰でも立てられますがそれを実行に移すことは難しい。ルワンダでは大臣、知事クラスにも成果主義を導入しており、結果が残せなければ次々に入れ替わっていきます」。チャールズ・ムリガンデ駐日ルワンダ大使が教えてくれた。毎年、日本の県に相当する郡の成績が点数化されて公表される。その成績が知事のその後を決めるという。

 アフリカで蔓延(まんえん)していると言われる汚職行為も厳しく取り締まった。こうした努力は着実に結果となって表れ、13年10月に世界銀行が発表した「ビジネス環境の整った国」ランキングでは、アフリカ地域1位のモーリシャス(12年経済成長率3.3%)に続き、2位となった。

 一度国を離れたものの、政情や経済が安定したことから、ルワンダへ戻ってきた「ディアスポラ」と呼ばれる人々の存在も大きい。国際協力機構(JICA)の小林広幸ルワンダ事務所長が「大臣、担当大臣の約半数はディアスポラです。ルワンダで今最も注目されている企業の1つであるブルボンコーヒーのアーサー・カルレトワ社長をはじめ、経営者の多くもディアスポラです」と教えてくれた。

 ITレベルの高さに着目し、11年から現地の提携企業とオフショア事業を行っているレックスバートの田中秀和社長は「当初はうまくいけば儲けもの、というつもりでルワンダに発注しましたが、勤勉で人材のレベルが予想以上に高く、今となってはルワンダなしで当社の経営は考えられません」と話す。

 スターバックスも熱い視線を注ぐ。元々ルワンダは肥沃な土地をもち、コーヒー豆の栽培に適した土地であったが、農業近代化が進んだことからコーヒー豆の品質が向上した。「11年にはスターバックスのプレミアムラインナップにルワンダのコーヒー豆が選ばれ、通常の約2倍の値で販売されました」とスターバックスコーヒージャパンで「コーヒースペシャリスト」の肩書きをもつ田原象二郎さんが教えてくれた。

 「治安が良く、マウンテンゴリラを確実に見ることができるため、旅行先としても人気上昇中です」(ルワンダ駐在経験のあるJICA瀧本康平さん)というルワンダ。隣国・コンゴ民主共和国の武装勢力「M23」(13年11月に戦闘停止宣言)との繋がりを疑われるなど、一部で火種を抱えつつも、経済成長により悲劇のイメージから脱皮しつつある。

◆WEDGE2014年1月号より










 

「WEDGE Infinity」のメルマガを受け取る(=isMedia会員登録)
「最新記事」や「編集部のおすすめ記事」等、旬な情報をお届けいたします。

previous page
2
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
「WEDGE REPORT」

著者

WEDGE編集部 伊藤 悟(いとう・さとる)

WEDGE Infinity S
ウェッジからのご案内

Wedge、ひととき、書籍のご案内はこちらからどうぞ。

  • WEDGE
  • ひととき
  • ウェッジの書籍