世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年1月15日

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 2013年12月6日付豪州戦略政策研究所(ASPI)のブログサイトで、Graeme Dobell同研究所ジャーナリスト・フェローが、価値と利益を重視して日本との安全保障協力を推進する豪州の姿勢は、ハワード政権に端を発すが、アボット政権でもそれは引き継がれ、日米同盟、米豪同盟をつなぐ三国関係が形成されるだろう、と論じています。

 すなわち、アボット政権が安倍政権と関係を築くにあたっては、ハワード政権が第1次安倍内閣と築いた関係が参考になる。ハワードと安倍との関係は、政策と価値、双方に係るものだった。

 ハワード政権下で、豪州は日本との安全保障関係を制度化し、日米同盟、米豪同盟をつなぐ三国間関係に発展させた。そして、日本は、豪州にとって、米国、英国、ニュージーランドに次ぐ第4番目に重要な安全保障上のパートナーとなった。現アボット首相が安倍総理に、日本は豪州にとって「アジアで最良の友」である、と述べたのには、このような背景があるのである。

 ハワードと安倍がアジアの民主主義という価値を共有したように、おそらくアボット政権でも価値の議論が出て来るだろう。例えば、アボット首相は、中国の防空識別圏(ADIZ)設定に関して、利益とともに価値にも言及している。

 「豪州が自らの価値を守ることは重要なことだと思う。(中略)豪州の価値や利益が危うくなっているなら、はっきりと我々の考えを述べることが大切だ。我々は、海であろうと空であろうと航行の自由を信じている。それで今回の件は重大問題と考え、中国大使を呼んで豪州の見解を述べておくことが重要だった」

 共通の価値と利益、そして漸進的な防衛技術協力があって、ハワードと安倍は、2007年3月、安全保障協力に関する日豪共同宣言に署名できた。その時、ハワードは、この合意によって、日本は、米国を除いては、最も緊密な安全保障関係を豪州と築くことになろう、と述べた。

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