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2014年1月7日

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弓野正宏 (ゆみの・まさひろ)

早稲田大学現代中国研究所招聘研究員

1972年生まれ。北京大学大学院修士課程修了、中国社会科学院アメリカ研究所博士課程中退、早稲田大学大学院博士後期課程単位取得退学。早稲田大学現代中国研究所助手、同客員講師を経て同招聘研究員。専門は現代中国政治。中国の国防体制を中心とした論文あり。

 美辞麗句が並んだ大言壮語な言葉。為政者が国民に向けて行う演説は大抵そのようなものだ。中国のような共産党一党支配の権威主義国であればそれはなおさらである。13億の人口をまとめ、民衆が豊かな生活を送れるようにリードしていく任務を一身に背負って民衆皆を鼓舞しなければならない面は否定できないが、それでも言論の自由や報道の透明性が確保されていない中国で歴代指導者の演説は綺麗事の羅列ばかりだ。

習近平の特徴がわかる新年のメッセージ

 国家主席が年末にテレビに出演して国民に訴えかける新年の挨拶は、国の指導者が1年を通じて国民に直接語りかける数少ない機会である。ではその場で何が語られたのか。今回の新年の挨拶は、綺麗事の羅列とはいえ、習近平の個人的特徴がいかんなく発揮されている。国家主席に就任(昨年3月)してから初となる新年のメッセージを紹介しよう。

* * *

【2014年12月31日 新華社(全訳)】

 私たちは希望に満ちた2014年を迎えようとしています。新年が始まり全てが新たになります。全国の各民族の人々、香港特別行政区、マカオ特別行政区の同胞、台湾の同胞や海外の華僑同胞、世界各国と地域の友人たちに新年の祝福をしたいと思います。老人の皆さんの健康、子供たちが幸せに過ごせるように、それぞれの家庭の幸福と安寧を願います。

 この新しい祝いの辞を述べるにあたり、無数の工業労働者の皆さん、農民の皆さん、知識人の皆さん、幹部の皆さんは依然として仕事の責任を果たしているかもしれません。少なからぬ同胞の皆さんは依然として世界各地で祖国のために仕事に励んでいて、多くの解放軍や武装警察の兵士の皆さん、警察官の皆さんは光栄な使命を全うしていることと思います。彼らは祖国を離れ、親戚とも離れ、家族との団らんを持てずにいます。私は祖国と人民を代表して彼らに真摯な挨拶を送り、平安を祈りたいと思います。

 2013年は私たちの国と人々にとって平凡な1年ではありませんでした。それでも私たちは各種の困難や挑戦に打ち勝ち新しい顕著な成果を獲得することができたのです。このような成果を収めるのは容易ではなかったですが、皆さんの心血、汗水を結集させ、達成することができました。皆さんに心からの感謝を表したいと思います。2013年に私たちは全面的に改革を深める総合的な準備を行い、未来への発展のマクロの青写真を共に描きました。

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