被選挙権の年齢引き下げで
地域と民主主義の再生を


磯山友幸 (いそやま・ともゆき)  経済ジャーナリスト

1962年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、東京証券部、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長などを務める。11年からフリーに。熊本学園大学招聘教授。近著に『国際会計基準戦争 完結編』(日経BP社)。

復活のキーワード

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地方自治体の首長選挙の投票率が低迷している。少数意見、特に投票率の高い高齢者の影響力が大きく不健全な状態だ。世界では半数以上の国が21歳までに被選挙権を与えている。被選挙権の年齢引き下げで、日本の未来を担う若者の政治参加を。

 この半年間に行われた地方自治体の首長選挙で「過去最低」の投票率が相次いでいる。2013年8月の仙台市長選挙は30.11%、横浜市長選挙は29.05%、10月の青森県八戸市長選挙は28.48%、神奈川県鎌倉市長選挙は37.40%、11月の千葉県柏市長選挙は24.99%といった具合だ。

 有権者が297万人近くいる横浜市を例に取ると投票に行ったのは86万1000人余り。そのうち、69万4000票余りを、自民・公明・民主が推薦した現職市長が獲得した。投票数の80%を超える得票率だが、得票数を全有権者数で割ると23.41%の支持しか得ていないことになる。

 会社の取締役会でも株主総会でも、物事を議決するには投票に参加する人の最低割合が決められている。定足数だ。取締役会は議決に参加資格のある取締役の過半数、株主総会は議決権の過半数を有する株主が出席しなければ会議は成立せず、議決は行えない。地方議会でも定足数は議員の半数だ。

 最近の首長選挙では、半数を大きく下回る投票率しか得られていない。国会の本会議の定足数は3分の1で、これすら下回る投票率が目立っている。

 投票に「行かない権利」もあるので低投票率は問題ない、という主張もある。だが、有権者の多数意見で物事を決めるという民主主義の原則からすれば、危うい状態なのは間違いないだろう。なぜなら、投票所に行く少数の意見しか反映されていないのだから。

 投票率を世代別に見ると、高齢者の投票率は圧倒的に高い。一方で、若者世代が著しく低い。自治体から医療や福祉などのサービスを受ける受益者世代の声が大きく、税金でそれを支える義務を負った世代の声が小さい。これはどう考えても不健全だ。若者は現状に不満がなく、将来に不安がないのかと言えばそうではない。それが「投票」という行動に表れないのだ。

 若者が選挙に行くようにするにはどうしたらいいか。

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「復活のキーワード」

著者

磯山友幸(いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

1962年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、東京証券部、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長などを務める。11年からフリーに。熊本学園大学招聘教授。近著に『国際会計基準戦争 完結編』(日経BP社)。

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