WEDGE REPORT

2014年1月22日

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長倉克枝

ライター

大企業がもっとベンチャーを買え!

――日本の大学発の技術ベンチャー企業の現状について、どのように見ていらっしゃいますか?

鎌田氏:(起業の)数は増えてきましたし、よくやっていると思います。ベンチャー企業が出てくる方は結構いい感じになってきていると思います。ただ、それが成長していくには、お客さん、投資をする人、イグジット先がそろい、回転していく環境が必要です。

 特に、技術ベンチャー企業を取り込んでいく大企業がもっと出てこないと、イグジット先がありません。ソニーがベンチャーを買収するとか、あまり聞かないですよね。そうすると、アメリカの企業が買収するということになってしまいます。そこが今の日本の弱いところだと思います。

 (イグジットがうまくいって)回転するようになると、成功した経営者がどんどん出てきます。次はそこかな、という感じがしています。

 現状では、ベンチャー企業は自分たちで会社を大きくしていくしかありません。資金調達するにしても、イグジットの選択肢が少ない中でうまくやらないといけない、ということになります。

 今後、大企業がリスクをとるようになると、変わっていくと思います。大企業が苦しくなり研究開発投資がしにくくなると、そこをベンチャー企業が補っていく、というパートナー関係になればいいと思います。今は、実績がないと取引きしません、となりがち。そうするとベンチャー企業が成長するためのハードルが高くなります。

――技術ベンチャーが成功するためには、必要なことが3つあると鎌田さんはおっしゃっていますね。1点目は将来大きくなる可能性のある新規市場があること、2点目はキーとなる技術を継続的に進化させること、3点目が一番重要で、その技術に対する依存性を構築することと。

鎌田氏:1点目については、優秀な人材を抱え研究所を持っている大企業はたいていのことができるので、大企業が参入するには小さすぎるような市場を対象にしたほうがよいということです。技術ベンチャー企業は技術が売りなので、ゼロから始める分野を一歩先に選んだほうがいい。昔のパソコンのように、まだみんながそんなに大きくなるとは思っていないが、成長速度が速くて、どこかで加速するような分野がベストです。

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