科学で斬るスポーツ

2014年1月23日

»著者プロフィール
閉じる

玉村 治 (たまむら・おさむ)

スポーツ科学ジャーナリスト、科学ジャーナリスト

小学校より野球をはじめ、大学では投手として活躍。スポーツを科学的に分析することを得意とし、バンクーバー、ロンドン五輪、ワールドカップサッカーなどで取材。

 4年前のバンクーバー五輪で銀、銅メダルを獲得した長島圭一郎(31)、加藤条治(28)。今季も快調な滑りを見せ、ともにソチ五輪の前哨戦となるワールド・カップで優勝台に立ち、本番での金メダルの期待は高まっている。ともに、日本電産サンキョーに所属し、切磋琢磨しながら互いに技術力、精神力を高めてきた両エース。時には、1000分の1秒が勝敗を分ける熾烈な戦いに勝つには、技術、メンタルはもちろん、それを試合時に最高に持っていく「ピーキング」が重要になる。氷上のバトルの見所を紹介する。

ソチ五輪でメダルが期待される長島(左)と加藤(中
(写真:中西祐介/アフロスポーツ)

1mm幅のブレードが推進力

図1:スピードスケート靴
図2:スケートのブレード
図3:ブレードが氷に食い込み、脚を伸ばす力(赤色の矢印)で、推進力を得る(湯田淳・日本女子体育大准教授提供)
拡大画像表示

 地球上で最も滑りやすいと言われる氷の上。雪上の10倍も摩擦係数が低い。この氷上をなぜ、あんなに速く滑ることができるのか。

 その秘密はスピードスケート靴のブレード(刃)にある。ブレードは、図1、図2のように長さ40cm以上、幅は約1mmと細長い。この1mmの刃が、氷表面に食い込み、脚を後方に押し出す力(プッシュオフ力)で、前への推進力を得る。図3のようにブレードは寝かせるが、角度をつけ過ぎたり、起こしすぎたりすると転倒や失速につながり、このバランスは選手の練習と感覚に依存する。

 氷表面の温度はマイナス10度前後だが、温度が高いと、ブレードが食い込み過ぎたり、氷表面が崩れ、滑りやすくなったりして、タイムが出ない。本番前の練習で、温度や氷の状態をしっかり確かめることが大事となってくる。

関連記事

  • PR
  • 新着記事

    »もっと見る