障害者アスリート~越えてきた壁の数だけ強くなれた

2014年1月30日

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初瀬:入院している時から車椅子ラグビーをやろうとしていたんですか!? 同じラグビーと名前が付いていても競技性がずいぶん違うと思うんですが、ラグビーで怪我をしているのに、よく入院中からまたやろうと思いましたね、その気持ちがすごいと言うか不思議です。

 そもそもラグビーみたいにあんなに痛そうなスポーツをなぜしたいのかなと思います(笑)。柔道は激しいように見えても人と人がぶつかり合うことはないし、ラグビーほど痛くはない。ラグビーやっている人は勇気があるなぁと思います。そうでなければリハビリ入院中にもかかわらず車椅子ラグビーをやろうとは考えません。

 ところで高校には戻れたのですか?

三阪:8カ月間入院していたので同期は卒業していました。最初は退学しようと思っていたんです。学校はバリアフリーでもないし、工業高校だったので実習なんかできるわけない。「どうやってクレーンのボタンを押して鉄筋運ぶんですか?」なんて先生に当たったりもしました。それに「フルタイムで学校に行ける自信もない」と言ったところ、怪我までの期間に取得している単位にプラスして、残りの単位を取るという方法や車で通学するという特別な許可をもらい、個人授業のような形で授業を受けさせてもらいました。それが復学できたポイントです。

初瀬:自分で自動車の免許を取って通ったということですね、凄い高校生だ。

 学校側はずいぶん柔軟な対応をしてくれたようですが、理解者がいる反面、きっと一部には逆の意見もあったと思うんですよ、一人だけに特別対応はできないとか……。

 それでも学校側はサポートしてくれたんですから、三阪さんの復学は先生やラグビー部に恵まれたからこそできたのかもしれません。

 卒業後はどうしたのですか。

三阪:最初に紹介されたのが職業訓練校ですが、 事故があってから高校を卒業するまであまり自分の障害と向き合う時間がなく生きてきたんです。そこで休息が欲しいと思いまして空白の1年間を作りました。次のことを考えるとか、生活に慣れるとか、将来のことを見据えた時間を過ごそうと考えたのですが、そういう時間はだらだらしているうちに過ぎてしまうもので、そろそろ次の年度が始まるぞという時期になって、このままでは過ごした時間が無駄になると思ったんです。

初瀬:健常な人には普通のことでも、障害を負うといろいろなことが壁になりますから、社会復帰するには時間がかかります。僕にも外に出るのが怖かったり、人に会うのが嫌で引きこもり状態のような時期がありましたから、その気持ちはよくわかります。その反面自身を見つめる時期でもあります。それは必要な時間なのかもしれませんよ。

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