うつ病蔓延時代への処方箋

2014年3月4日

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 労働安全衛生法では、社員が常時50人以上いる職場は、産業医を1人以上選任しなければならず、1,000人以上では常勤としなければならない、と定めている。産業医は社員の健康管理、管理者への指導助言、社員との個別相談などが職務で、一昔前ならば健康診断結果と向き合えばよかった。だが、現在はメンタル対応が主流になりつつある。職場うつに向き合う産業医の活動などを矢島新子医師に聞いた。

矢島 新子(やじま・しんこ)
東京医科歯科大学医学部卒業後、臨床研修。ロータリー財団奨学生としてパリ第一大学大学院に留学。医療経済学を専攻。東京医科歯科大医学部博士課程修了。WHOコンサルタント、川崎市保健所などを経て産業医。約20社の嘱託産業医を勤める一方で2010年に企業のメンタル対策を支援するため医師、看護師、心理士などスタッフ全員が女性で構成するEAPを設立。著書に『医者が増えると病気が増える』(共著)など。東京女子医科大学附属女性生涯健康センター所属。新渡戸文化短期大学、東洋大学講師を兼務。医学博士。

社員との面談増え役割が増す産業医

―― 法律で決められているから産業医を置くという時代ではなく、メンタル対応など課題解決のために産業医が必要だ、という変化が起きているように思えます。

矢島:確かに10年ぐらい前から状況は変化しています。うつ症状に陥る社員が増えてきたことで、社員との面談は確実に多くなりました。健康だった社員が心を病んでいく、そこに産業医が果たすべき役割があります。

矢島新子さん

 職場うつが増えていることを問題視する会社にとって、対応が難しいのが社員から上がってきた診断書。これは専門的な見方が必要であり、人事だけでは判断できません。うつ状態で1カ月間の休養が必要、と書いてあれば、必要に応じて主治医と連絡をとり状況を把握します。

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